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新連載【転換期の日本から】――今ふたたび「慰安婦」問題を考える(1) 日韓のとげ

朴裕河(世宗大学校日本文学科教授)

2011年12月13日

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  今、ふたたび「慰安婦」問題が浮上しています。ここ数年、「慰安婦」問題は、日本では政府の立場からは「終わった」ことになっています。おそらく一般市民たちの間でもすっかり忘れられていたことでしょう。

拡大大統領府に近い光化門前で元慰安婦や支援者が問題解決を訴えた。そのあと日本大使館前に移り、992回目の水曜集会を開いた=2011年10月19日、ソウルで

 しかし、韓国ではいまでも、駐韓日本大使館の前で当事者たちや支援団体のデモが続いています。来る12月14日には、20年前から毎週行ってきたデモが1000回を迎えるということで、記念碑を建てる計画までが進んでいます。

 そのような韓国の動きを受けて、日本でも「日本軍『慰安婦』被害者に正義を!」との趣旨で「日本全国、世界各地で同時に行う『韓国水曜デモ1000回アクション』」というものが開かれ、「外務省を『人間の鎖』で包囲」する計画が進んでいます(http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/fc3837c00b5271fd63dbcc5652f9d300」。そして同じごろに 、アメリカではホロコストを経験した生存者と慰安婦を会わせる 企画も進んでいるといいます(http://japanese.joins.com/article/817/145817.html)。

 一方、日本では12月号の『正論』が「韓国よ、いい加減にせんか」というタイトルの特集を組んで、この秋以降「慰安婦」問題に関しての動きが活発になったことを受けて韓国を激しく批判しています(西岡力「危険水位を超えた『慰安婦』」対日謀略」、呉智英「道徳という道具と歴史の真実」) 。市民の方でも、韓国側の14日のデモに抗して、「正しい歴史を次世代に繋ぎましょう」として「12.14水曜デモ1000回への抗議行動&集会『 慰安婦の嘘は許しません!なでしこアクション2011』」というタイトルの反対デモを呼びかけています。

 このデモの特徴は、タイトルが示しているように、女性たちが中心になっていることです(http://sakura.a.la9.jp/japan/)。ツイッタ−などでも、 「慰安婦はうそつき」「お金をもらった」「軍は関与していない」などの議論が沸いていて、数年前からの『嫌韓流』の主張と通低するような感情が、今、新たに日本社会に巻き起こっているように見えます。

 そのような潮流を受けてか、『産経新聞』は2007年に「慰安婦」問題をめぐる発言で世界的な注目を引い安倍晋三元首相に新たにインタビューをし、安倍首相が謝罪したことで一件落着したかのように見えた当時のことに関して、実のところ「謝罪したことなどなかった」とする答えを引き出しています。安倍氏によると、あの時「慰安婦」問題に関しては議論しなかったのに、あたかも謝罪したかのような発言がアメリカ側から出たにすぎない、というのです(2011・11・23)。それを受けて韓国のメディア はすぐに、「謝罪する気持ちがないながら謝罪したふりをしたのか」と 、反発しました。

 このような状況から見えてくるのは、「慰安婦」問題とは単なる日韓間の問題ではなく、日本内の問題でもある、ということです。一体どうして日本はこの問題をめぐってここまで激しく対立するようになったのでしょうか。・・・・・続きを読む

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