いきなり「重力波」と言われても、そんな単語は初耳だという方がほとんどであろう。これは、アインシュタインの一般相対論によって予言される、空間の歪みが波として伝わる現象である。現在その初検出をめざした実験が世界中で進行しつつある。日本でも東京大学宇宙線研究所を中心としたグループが、昨年より本格的な重力波検出実験LCGT(大型低温重力波望遠鏡)プロジェクトに取りかかった(研究代表者は東京大学宇宙線研究所長、梶田隆章教授)。しかし「空間の歪み」などと言われてもピンと来ないのは当然なので、少しだけ具体的に説明してみよう。
まず、日常的な「波」の例を考えてみる。池の表面はほとんど平らだが、ボートが通過するとその場所の水面の高さに乱れが生じる。そして、その乱れは波としてボートが通過していない他の場所にも伝わっていく。もしも水面に二つの落ち葉が浮かんでいれば、波が伝わるにつれてそれらの距離が時間とともに変化することが見えるはずだ。このような「波」のイメージが「重力波」に対してもほぼ当てはまる。・・・・・続きを読む
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- 須藤靖(すとう・やすし)
東京大学大学院理学系研究科物理学専攻教授。1958年高知県安芸市生まれ。第22期・第23期日本学術会議会員。2009年よりプリンストン大学宇宙科学教室客員教授兼任。主な研究分野は観測的宇宙論と太陽系外惑星。著書に『ものの大きさ』、『解析力学・量子論』、『人生一般二相対論』(いずれも東京大学出版会)、『一般相対論入門』(日本評論社)、『三日月とクロワッサン』(毎日新聞社)などがある。
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