問題を狭い範囲で考えると、その想定外の事態で、間違った判断をする。広く取りすぎると、問題が解決できない。しかし人間は、考えすぎて問題が解けなくなるわけでもなく、多くの場合は、それなりの判断をしているように見える。少なくとも表面的には、そのように見える。
チェスや将棋のように問題の範囲が明確に限定される課題では、どこまで考えれば良いのかがしっかり定義されている。いわゆる「クローズドシステム」では、フレーム問題は発生しない。
フレーム問題が発生するのは、問題の境界が定義できない「オープンシステム」だ。しかし、現実世界はオープンシステムである。これは、未だに解かれていない人工知能の最大の難問である。(人工知能学会の「フレーム問題」解説ページ)
大飯原発3号機と4号機の第1次ストレステストの審査書を通読した。そこで痛感したのが、再稼働問題の前には「フレーム問題」が横たわっている、ということである。「原子力安全性のフレーム問題」ということもできる。
今回のストレステストの注目点の一つは、福島第一の事故を反映して、地震と津波に伴う、全交流電源損失、サイト内発電設備の損害などを想定して、どの程度の炉心冷却機能を保てるかだった。・・・・・続きを読む
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- 北野宏明(きたの・ひろあき)
ソニーコンピュータサイエンス研究所代表取締役社長兼所長。1984年国際基督教大学教養学部理学科卒業後、日本電気に入社。88年米カーネギー・メロン大学客員研究員。91年、京都大学で博士号(工学)を取得。1993年ソニーコンピュータサイエンス研究所入社、犬型ロボットAIBOなどの開発にかかわった。2008年に現職。NPO法人システム・バイオロジー研究機構会長を兼務。Computers and Thought Award (1993)、ネイチャーメンター賞中堅キャリア賞(2009)などを受賞している。
WEBRONZA編集部
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