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宝塚プレシャス

スペシャルインタビュー

紫城るいさん・映美くららさん ― タカラジェンヌの実感を

(2008.9.6)
 6年前に藤原紀香主演でフジテレビ系列にて放映され、大きな反響を呼んだ話題作『愛と青春の宝塚〜恋よりも生命よりも〜』が、舞台になって帰ってくる。昭和14年、迫り来る戦争の足音のなかで、タカラジェンヌたちが夢を守り生きていく姿を描いた物語で、紫吹淳・湖月わたるをはじめ、アンサンブルキャストまでもが元タカラジェンヌたちというミュージカルだ。主要4役はWキャストということもあって、さまざまな組み合わせが楽しめるのも見どころ。そのWキャストたちに登場してもらうこの対談シリーズ、第1回目は、娘役の紅花ほのかを演じる紫城るいと映美くらら。宙組と月組の主演娘役として、また3年間月組で過ごした仲間として、さまざまな思いを語ってもらった。 (取材・文:榊原和子/写真:吉原朱美)
 
紫城るい

 しじょう るい。女優、元宝塚歌劇団宙組トップ娘役。愛知県出身。
 97年、宝塚歌劇団入団。06年から宙組トップ娘役に就任。宝塚時代の主な舞台に『The Last Party』(04,06)、『炎にくちづけを/ネオ・ボヤージュ』(05年)、『NEVER SAY GOODBYE』(06)、『COPACABANA』(06)ほか。『維新回天・竜馬伝!/ザ・クラシック』(07)を最後に退団。その後、女優として舞台などで活躍している。(写真左)

映美くらら

 えみ くらら。女優、元宝塚歌劇団月組トップ娘役。熊本県出身。
 99年、宝塚歌劇団入団。01年から月組トップ娘役に就任。宝塚時代の主な舞台に『ガイズ&ドールズ』(02)、『長い春の果てに/With a Song in my Heart』(02〜03年)、『花の宝塚風土記/シニョール ドン・ファン』(03)、『薔薇の封印』(04)ほか。『飛鳥夕映え/タカラヅカ絢爛II』(04)を最後に退団。その後、女優としてテレビドラマ、CM、舞台などで活躍している。 ⇒映美くららオフィシャルサイト

  お芋が好きな素朴な子

―― まず、紅花ほのか、ベニちゃんをどう捉えたかという話を、紫城さんから。
紫城るい: ベニちゃんって天然なんですよね。素朴な子でキャラクター性がすごくあるわけではないんですけど、いるだけで和ませられる子。お芋のことで本気でケンカしてしまったり(笑)、そういう彼女ならではの個性が私にうまく出せるかちょっと心配な気持ちもありますが、楽しく演じられたらいいなと思っています。
映美くらら: 私はテレビドラマをオンタイムで観ているんですが、本当にベニちゃんが出てくると明るくなるという印象で。
 私は宝塚を退団してから、ちょっと重たい役が多かったんですが、久しぶりにはっちゃける役で楽しみです。地に近いというか、私も地方出身ですし、お芋が好きですし(笑)。わりと近い部分を見つけられるかなと思っています。
―― ベニちゃんが憧れる男役さんがリュータンで、こちらを演じるのは紫城さんのときは紫吹淳さんで、映美さんのときは湖月わたるさんですね。映美さんと月組で主演コンビだった紫吹さんが出られるのに、映美さんはそのバージョンは出てないんですね?
映美: そうなんですよ、残念です。
紫城: きっと紫吹さんのファンの方も、くららちゃんと久しぶりの共演を見てみたいと思われているでしょうに、私が共演するのがちょっと申し訳なくて。
―― でも紫城さんも紫吹さんとは“恋人”だったこともありましたね?
紫城: ありました。『シニョール ドン・ファン』(03年)で、無理やり彼女になっていました(笑)。現役のときは組のトップさんでしたから、ちょっと遠慮していた部分もあるのですが、今回は堂々と憧れられます(笑)。というかちょっと違った感じで紫吹さんを見られるので嬉しいです。
映美: 私はわたるさんとは星組時代はちょうどスレ違いでした。わたるさんが専科にいらした頃に月組の『大海賊』と『長い春の果てに』に特別出演してくださって、すごくお世話になりました。仲良くしていただいたし、遊んでいただいた思い出もあります。会うたびに声をかけていただいたのをよく覚えていますし、すごく楽しみです。

  タカラジェンヌの実感を

紫城るいさん
―― この舞台の楽屋裏も、やはり宝塚時代の上級生と下級生という感じになるのでしょうか?
紫城: いえ、現役時代ほどではないと思います。
映美: やっぱりちょっと違いますよね。出演されてる先輩がたの舞台を観に行ってお会いするときも、現役時代とはまた違った関係だなと、いつも感じますから。
―― タカラジェンヌ役を実際に宝塚にいた方が演じる心境はいかがですか?
紫城: 私たちがいた時代とは違う時代の方たちですから、全然違う感覚で捉えていいのではないかなと思っています。でも、その方たちがいらしたから、私たちがいた宝塚があり、それから私たちが退めたあとの宝塚に続いている、と考えていくと、それぞれが架け橋なんだなと思います。そういうことを体感できるのはとても素晴らしいことだなと感じます。でもまさかタカラジェンヌを演じられるとは思いませんでした。
映美: 私もです。まず、退団された上級生の方たちと共演できる機会があるとは思ってませんでしたから。退団後、女優さんとしてやってこられた先輩方が、どう変化されているのかとても興味深いですし、自分自身も変化していると思うので、その両方がこの舞台で組み合わさったときに、きっと面白いものになるのではないかという期待があるんです。宝塚にいたときの実感というのは、いた人だからこそわかりあえるし、そこが物語とうまくリンクしていけばいいなと思います。
―― あの華やかな舞台が一時的にでも閉鎖され、なくなってしまうかもしれないという状況は、切実にわかるかもしれませんね。
映美: 舞台にかける思いや、タカラジェンヌとしての誇りは、共通点として持っていると思うので、そのあたりは実感をもって描けるのではないかと思っているんです。退めたからこそわかったということもたくさんありますから。
紫城: 退めた後、宝塚をよけい好きになって、観にも行きますし、本当に世界にただ1つ、ここだけにしかない世界があるなと思います。もちろん外の世界だからこその刺激もあって楽しいのですが、でも宝塚はもう二度と戻ることのない場所ですから、やはり特別な場所ですね。
映美: 私も17歳で音楽学校に入りましたから、本当に青春まっただなかで、10代の多感な時代を全部費やしてきたので、その頃の思いが今も根強く残っているし、それが今につながっているというのが私のなかで強くありますから。宝塚に入っていなければ今がないというくらい、大きなものをいただいた場所なので今も大事な存在です。

  女優になるということ

映美くららさん
―― 今、女優さんのお2人ですが、娘役でいたときと違いはありますか?
紫城: 宝塚の娘役でいたときも今も、気持ちの動かし方などは変わりないと思います。でも、動きとかはちょっと違うかもしれません。相手が普通の男性のほうが自然に動いていいという感じはありますね。
映美: 私は退めてから1度しか舞台はなくて、後は全部テレビですとか映像のお仕事でしたから、メディアのギャップのほうが大きかったです。
 そのなかでリアルな現代の女性を演じるとき、よくわからなくなってしまったんです。宝塚でも娘役を演じていたからそのままでいいはずなのに。そのときに、私は娘役の映美くららを生きていたのだなと、作っていたんだと気づきました。映像で普通にしゃべっているつもりでも、私が発する空気が宝塚なんです。6年間という短い期間だったのに宝塚の雰囲気になっているんです。
―― 自分で自覚するわけですか?
映美: 自覚もしますし、人にも言われるんです。現代のドラマのなかでは浮世離れして見えたんです。それが最初の戸惑いだったんですけど、やはり回数をこなしていくことで発見もありましたし、経験を積むことで、変わってきたと思います。
 でも、役を生きるという根本的なところは変わらないと思います。そのうえで表現の違いというか、人間の醜いところを見せていいとか、もっとリアルになっていいとか、そんな部分もOKなのが、今やっているテレビの仕事かなと。そういうところは宝塚ではやっぱり消していたと思うんですが、恥ずかしがらずに出せるようになりました。
―― 紫城さんは最初が男役でしたから、その変化のほうが大きかったのでは?
紫城: その頃のことはあまり覚えてないんです(笑)。たぶん研6の頃までやっていたのですが、男役の記憶ってほとんどないというか、それはまた違う自分で、それだけ作っていたんだなと思います。
―― 今は等身大に近い部分はありますか?
紫城: そうですね。今、お稽古中の『アプローズ』も現代物ではないんですが、自分に近い女性かなと思えるし。娘役時代よりはどれも近いかもしれません。現役の頃の役どころは、自分って本当は違うのにという部分もあったんです。
映美: そうですよね。みなさんの理想もあるから難しいんですよね。今は自然な自分になってきたというところはありますよね。

 紫城るいさん・映美くららさんインタビューの後半は、女優の道を選んだ訳、宝塚の娘役だった頃、またお互いの出演作についても伺いました。


『愛と青春の宝塚〜恋よりも生命よりも〜』

原作・脚本・原詞:大石静
演出:鈴木裕美
作曲:三木たかし
出演:紫吹 淳・湖月わたる(※Wキャスト)、彩輝なお・貴城けい(※Wキャスト)、星奈優里・大鳥れい(※Wキャスト)、紫城るい・映美くらら(※Wキャスト)、石井一孝、本間憲一/佐藤アツヒロ ほか

《東京公演》
期間:2008年12月2日(火)〜22日(月)(12月1日(月)プレビュー公演)
会場:新宿コマ劇場
公演の詳しい情報は⇒公式サイトへ

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『アプローズ』〜映画『イヴの総て』より〜

脚本:ベティー・カムデン、アドルフ・グリーン
音楽:チャールズ・ストラウス
詞:リー・アダムス
演出:浜畑 賢吉
出演:前田美波里、貴城けい、倉石功、宮本益光、佐野瑞樹、紫城るい、越智則英、駒塚由衣 ほか

《大阪公演》
期間:2008年9月6日(土)・7日(日)
会場:シアターBRAVA!
《東京公演》
期間:2008年9月25日(木)〜10月3日(金)
会場:東京グローブ座
公演の詳しい情報は⇒公式サイトへ

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竹内まりやソングミュージカル『本気でオンリーユー』

音楽:竹内まりや
原作:唯川恵『キスよりも切なく』(集英社刊)
演出:大根仁
脚本:高須晶子
出演:松浦亜弥、ANZA、映美くらら、尾藤桃子、林剛史、岡田浩暉、マルシア ほか

期間:2008年9月12日(金)〜10月5日(日)
会場:PARCO劇場
公演の詳しい情報は⇒公式サイトへ


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