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宝塚プレシャス

スペシャルインタビュー

紫城るいさんx映美くららさん(後編) ― 娘役として先輩・後輩同士

(2008.9.13)
 2002年にテレビドラマとして放映された『愛と青春の宝塚〜恋よりも生命よりも〜』が紫吹淳・湖月わたるをはじめとする元タカラジェンヌたちによってミュージカル化される。主要4役はWキャストということもあって、さまざまな組み合わせが楽しめるのも見どころの1つ。そのWキャストたちに登場してもらうこの対談シリーズ第1回目は、娘役の紅花ほのかを演じる紫城るいと映美くらら。インタビューの後半は、女優の道を選んだ訳、宝塚の娘役だった頃、またお互いの出演作についても語ってもらった。 (取材・文:榊原和子/写真:吉原朱美)
紫城るいさん・映美くららさん

  この仕事を続けていきたい

―― 主演娘役って相手役さんに寄り添い、相手役さんを見ながら動く部分がありますよね。どこか物足りない部分があったから、退団後も女優をされているのかなと思ったりするのですが。
紫城るい: いえ、私は宝塚に10年近くいましたし、やりたいことはさせていただいたので、本当に満喫したんですけど。だからこそやりたいというか、やっと面白くなってきたから、もうちょっとやってみようかなって(笑)。でも、確かに現役のころの自分とは違う自分がいるはずだから、もっとチャレンジしてみたいなと思います。
映美くらら: 私は25歳で退めたんです。でもその頃、退団を決めたあたりから、本当に宝塚の舞台が楽しくなってきたんです。ちょうど『ジャワの踊り子』の頃だったと思います。それまでは必死だったんですけど、どんどん楽しくなってきて、もっともっとやってみたいなと思ったんです。
―― 『飛鳥夕映え』の瑪瑙は素晴らしかったですからね。
映美: すごく楽しかったです。私は主演娘役に早くなってしまったので、周りのベテランの女役さんのようにもっと上達したいといつも思っていました。でも、退めることには悔いはなかったし、昇っている状態で退めようという思いもありました。
 宝塚の外に出て、そういう気持ちを継続していくのもたいへんだろうし、新しい世界に飛び込む勇気も必要だったんですけど、でも自分のモチベーションが上がっているときに、25歳を分岐点に、何か違うことを始めたいとも思ったんです。ちょっと違う世界を通して世の中を見てみたいというか。違うジャンルの人たちと出会いたいという気持ちもありました。
 今、この仕事を続けているのは、やっぱり好きだからだし、面白い世界だから。やりとげたあとの充足感もありますし、何かを人に伝えられるし、だからやってるのかなと思います。
―― 紫城さんも宙組で1年間主演娘役をされましたが、もっとやりたいという思いはありませんでしたか?
紫城: どうでしょう? くららちゃんは若かったけど、私はもうちょっと年上でしたから(笑)。
 本当は主演娘役になる前、組替えの時期に一度退団を考えたこともあったんです。親しんだ月組の人たちのなかで退めたいなと思ったんですけど、でも宙組に行ったらまた素敵な方たちに出会えた。私って宝塚でいろいろ大きなチェンジを経験してるんです。男役から女役に替わったし、組替えもあったし、だから退団もチェンジの1つということで、来るべきことが来たという感じで捉えていたような気がします。
―― 変化することで新しい何かが見つけられるのなら、次に踏み出すのも楽しみですね。
映美: 刺激がいっぱいですけど、それもいい経験だと思います。
紫城: 私も前向きに捉えていこうと、いつも思ってましたから。

  月組の娘役同士として

映美くららさん
―― お2人は同じ頃に月組にいた仲間ですね。その頃のことも思い出して語っていただきたいなと。
紫城: 娘役としてはくららちゃんは先輩なんですよ。新人公演で私はいつもくららちゃんの役をしてましたから。なぜか14歳の役もして(笑)。
―― 『長い春の果てに』ですね。ちょっとたいへんでしたね。
紫城: 今思うと、くららちゃん、かわいそうなくらいよくやってたなと。
映美: 私ってたいへんなことをたいへんって思わないほうなので、こんなもんだろうと思っていました(笑)。
 今だから言えますけど、本当に自分自身何もわからなくて、新人公演のお稽古でも、るいさんに立ち位置くらいしか教えてあげられなくて。なんの役にも立たない本役だったんです(笑)。でも新人公演を客席で観させていただくと、いつも勉強になりましたし、発見がありました。
紫城: 私も持ち味が全然違うことはわかっているから、マネしても似合わないしと思ってやってたの。
―― 紫城さんから見て、主演娘役で星組から来たくららさんは、どんなふうに映ってました?
紫城: 私はその頃はまだ男役でしたから、ただ単純にたいへんだなと。上級生のなかで頑張らないといけないので、かわいそうだなと思っていたんですが、そのあと自分も娘役になって一緒に娘役のグループで歌稽古したり、イベントで一緒になったりして、よく話をするようになったのよね。
 でもくららちゃんのことは初舞台から観てるんですよ。月組の『ノバ・ボサ・ノバ』でロケットをしてて、可愛い子がいるなと思ってましたから。2つに髪をくくってるのが子供っぽい感じで、そのイメージがあるからよけいに、主演でこれからたいへんだろうなと(笑)。
映美: でも月組の皆さん、本当に温かかったです。
―― くららさんから見た紫城さんはどうでした?
映美: 男役時代から、舞台を降りられるとこのままのファーッとした感じで、癒されるんです。男役時代もそういうよさがあった方なので、娘役さんになられても違和感がありませんでした。宙組でも愛されていたのがよくわかります。
紫城: ボーッとしてるように見えるから(笑)。
―― くららさんはしっかりしているタイプに見えますね。
映美: そう見えるだけなんですよ。してないんです。
紫城: とんでもないところでこけることがあったよね(笑)。
―― 相手役として紫吹さんをちゃんを支えてましたね。
映美: いえいえ、私は紫吹さんに育てていただきました。
紫城: 出会うべくして出会ったコンビだったと思います。紫吹さんにもくららちゃんが必要だったと思いますから。
―― 紫城さんは、相手役だった貴城けいさんとは、この『愛と青春の宝塚』では一緒に出るパターンがあるんですね?
紫城: あるんですよ。嬉しいです。貴城さんは今でもときどきお会いするんですが、格好は女性そのものなのに、お兄ちゃんみたいな温かさは変わらないんですよ(笑)。

  お互いの舞台を観に行くこと?

紫城るいさん
―― そんなお2人ですが、これからのお仕事についても伺うと、まず紫城さんは9月初旬に『アプローズ』、これも貴城さんと一緒ですね。
紫城: 大ベテランの前田美波里さんが大女優の役で、貴城さんがライバルの若手女優で、蹴落とし合いがあって、女優さんの世界は恐いなというミュージカルです(笑)。
 私の役はダンサーで、アプローズ−喝采−を求めて頑張るという役です。張り切ってますので、ぜひ観にいらしてください。
映美: 私も9月12日から『竹内まりやソングミュージカル 本気でオンリーユー』に出演します。こちらは唯川恵さんの「キスよりもせつなく」という小説をミュージカル化したものです。竹内まりやさんのデビュー30周年記念で、全部竹内まりやさんの曲で作られています。主演は松浦亜弥さん、私はその同僚で友だちなんです。
―― 確か彼氏を取る役でしたね?
映美: 取るんじゃないんです(笑)。亜弥ちゃんの元カレと知らずに婚約をしてるだけで(笑)。マルシアさんの先輩をはじめ、OLさんたちが恋と仕事に悩んだり葛藤したりしながら、みんなで成長していく姿を描いてます。
紫城: OLさんの役ってやってみたい! 知らない世界だから。憧れるわ。
映美: 同じ時期にわりと近い場所の公演なので、お互いに観劇しましょうね。
紫城: お客様には両方観に来ていただいて(笑)。

紫城るいさんx映美くららさん動画メッセージ

紫城るいさん動画メッセージ 映美くららさん動画メッセージ
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『愛と青春の宝塚〜恋よりも生命よりも〜』

原作・脚本・原詞:大石静
演出:鈴木裕美
作曲:三木たかし
出演:紫吹 淳・湖月わたる(※Wキャスト)、彩輝なお・貴城けい(※Wキャスト)、星奈優里・大鳥れい(※Wキャスト)、紫城るい・映美くらら(※Wキャスト)、石井一孝、本間憲一/佐藤アツヒロ ほか

《東京公演》
期間:2008年12月2日(火)〜22日(月)(12月1日(月)プレビュー公演)
会場:新宿コマ劇場
公演の詳しい情報は⇒公式サイトへ

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『アプローズ』〜映画『イヴの総て』より〜

脚本:ベティー・カムデン、アドルフ・グリーン
音楽:チャールズ・ストラウス
詞:リー・アダムス
演出:浜畑 賢吉
出演:前田美波里、貴城けい、倉石功、宮本益光、佐野瑞樹、紫城るい、越智則英、駒塚由衣 ほか

《大阪公演》
期間:2008年9月6日(土)・7日(日)
会場:シアターBRAVA!
《東京公演》
期間:2008年9月25日(木)〜10月3日(金)
会場:東京グローブ座
公演の詳しい情報は⇒公式サイトへ

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竹内まりやソングミュージカル『本気でオンリーユー』

音楽:竹内まりや
原作:唯川恵『キスよりも切なく』(集英社刊)
演出:大根仁
脚本:高須晶子
出演:松浦亜弥、ANZA、映美くらら、尾藤桃子、林剛史、岡田浩暉、マルシア ほか

期間:2008年9月12日(金)〜10月5日(日)
会場:PARCO劇場
公演の詳しい情報は⇒公式サイトへ


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