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宝塚プレシャス

タカラヅカ★列伝

真琴つばささん

(2006.8.19)
 月組の男役トップスターとして、絶大な人気を誇っていた真琴つばさが、退団してから4年が経った。だが、驚くほどに彼女は宝塚時代のイメージを保ち続けている。スレンダーでキレのいい身体性、どこかミステリアスな素顔、こだわりとカリスマ性によって作られるエンターテインメントなステージ。だが、そんな真琴つばさが、今また新しい顔を見せはじめている。その変化は今回のライブでも見られそうだ。 (取材・文:榊原和子/写真:吉原朱美)
 
真琴つばさ

 まこと つばさ。アーティスト、女優。元宝塚歌劇団月組トップスター。東京都出身。
 哀愁漂う二枚目男役スターとしてだけでなく、「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラなど幅広い役柄で活躍、ファンから絶大な支持を得る。在団中には二度の海外公演にも参加。中国・上海公演では主演を務める。
 2001年7月に宝塚歌劇団を退団。以降、アーティストとしてライブを中心に活動。
        ※   ※
 真琴つばさ発信のコンサート、ディナーショー(DS)、アルバムリリースなどのタイトルはA・B・C…とアルファベット順に綴られている。2002年の復帰コンサート「真琴つばさTHE LIVE 2002 A -Alive-」(東京国際フォーラム・ホールA)を皮切りに、「LIVE B -Break-」「LIVE C -Contrast-」「Dinner show」とたて続けに4つの異なったライブやステージを行い、ファンを魅了した。
 2003年、1stアルバム「Everyone」をリリース。同年夏「THE LIVE 2003 FAKE!」、DS「Gang Way」。
 2004年、2ndアルバム「Heal....」、「THE LIVE 2004 I..」、DS「Jeann d'Arc in 2004」。
 2005年、「THE LIVE 2005 KISEKI」、3rdアルバム「Luminous」、DS「Make -M- 」。
 そして今年、「真琴つばさ THE LIVE 2006 『La Notte』」を開催する。
 この他、テレビ、ラジオ、雑誌、自身のDSでの構成・演出、オペラ、朗読劇、ダンスユニットとのステージなど、挑戦&活動の範囲は幅広い。
 退団後の主な舞台としては「ブラッド・ブラザーズ」(03年)「DREAM BOY」(04年)、そして、05年12月〜06年2月「わが歌ブギウギ〜笠置シヅ子物語」笠置シヅ子役で女優として新たな一歩を踏み出した。

  女優は考えていなかった

―― 宝塚退団後、アルファベットのAから始まったライブも、いよいよNで半分まで来ましたね。今回の『La Notte』というのは?
 イタリア語で、夜という意味なんです。今まで英語が続いたので、違う国の言葉がいいなと思っていたんですが、「そうだ、イタリアンレストランを舞台にしてみよう」と。
 そこのオーナーが私で、ギャルソン兼バンドメンバーに、ザ・グッバイの曾我泰久さん。出演者は2人のみという初めての試みです。バンドメンバーはあと2人いて、アンプラグドを意識してキーボードとベース、曾我さんはギターを弾いたりコーラスしたり、たいへんです(笑)。

 シチュエーションは、ある花火大会の日にレストランを訪れた客がいて、その人に向けて、今まで来た人のエピソードを、歌や踊りで綴っていくんです。2人しかいないから、私もいろいろな役に変身します。
―― 場所も新国立劇場の小劇場という、ちょっと珍しいところですね。
 そうなんです。自由に使えそうな面白い空間です。今回の公演は当初3日間の6回公演だったのですが、売り切れてしまったので、追加公演が入って1日3回という日もあって、ジャニーズさんの公演みたいなことに(笑)。
―― 真琴さんは退団して4年経ちますが、男役時代のイメージをうまく保ったまま活動していますね。
 最初は、一般の方々にも自分のイメージが定着するまであまり大きな変化はしないでいようとは思っていました。でも、そろそろ少しずつ変化しようかなと思い始めています。この間の「わが歌ブギウギ〜笠置シヅ子物語」をやらせていただいたのも、そういう意味なんです。でも、観ていただくまでは「えっ、真琴つばさが?」と思われた方が多かったみたいで。
―― あれで、いちばん驚いたのは、笠置さんの女性としての部分をうまく出せていたことで。
 でも、大阪公演の幕が開いてから宝塚の演出家の方がご覧になって「色気が足りない」って(笑)。
―― 笠置さんというかたも、舞台ではあまり色気を出す人じゃなかったでしょう?
 そうなんです。でも私生活では惚れっぽかったみたいですね。そういうエピソードもいろいろ聞きました。
―― 笠置さんを知っている方たちからも、ほめていただいたとか。
 外見が違うので、心配していた部分もあったのですが、終わったあとに近所の喫茶店とかで、「あの子、そっくりやったな」とお客様が言っていたのを友人が聞いてきて、そういうことがすごく嬉しかったですね。

 あの公演をやっていた半年って、本当に突き詰めていたというか、すごくのめり込んでいたんですよ。だから、あれをやっていた自分は、まだ幽体離脱して別空間にいるみたいな感覚なんです。
―― まず歌手デビューして、役者に戻るのは、わりとゆっくりでしたね。
 私には女優はできないし向いてないって思っていたんです。宝塚を退団するときに言った言葉はうそじゃないし、本気でそう思ってました。
真琴つばささん
―― 真琴さんは、役者としても評価が高かったという印象があります。
 私は“ショーが好き”の方でした。いろいろな面を見せたいのに、お芝居では来る役がいつも似たパターンだったんですよ。
 たとえば恋愛ものでも、初恋とか、出会って恋に落ちてとか、そういうものが多くて、もっと大人の恋も演じてみたかったかな。
 役も清らかな青年みたいなのが多くて、男役として成熟していけない、中途半端だなというジレンマがありましたね。その分、ショーだと自分のいろいろな面をコントロールしながら出していけるので、すごく好きでした。
―― その延長で歌手を選んだのですね。
 でも、その道を選んだ中で、だんだん「あ、これはお芝居にも、いつかはチャレンジしないとダメだろうな」という思いは出てきたんです。
 ただ私もすごく頑固だし、やらないと決めていたから、それで通すこともできたけど、やはりそれでは自分自身が広がらないなと思い始めて、少しだけ心がゆるんできて、やってみようと踏み出したのが、笠置さんの役だったんです。
―― 真琴さんは、集中力もすごいし完璧主義で、それが次への踏み出しを躊躇させてたんでしょうか?
 というか、宝塚にあれだけ長くいると宝塚の演出方法が身体に入ってて、しかもディナーショーなどは、こういうアイデアがあるとか、あれやってみたいと意見を言うとそれが通るでしょう。すると演出の領域に目が行ってしまう、そういう自分がいたんです。

 だからよその舞台を観に行っても、出演してる人ではなく演出を、見せ方を見ていた。その気持ちが出てしまうので、やはりライブのように自分を出せるものをやっている方が向いているのかなと。
 でも、もちろん自分で自分自身を離れた視点で見られないので、基本はちゃんと演出家の方にやってもらったほうがいいなとは思っているのですが。
―― 相変わらずのこだわり派ですね。
 今回の『La Notte』も、台本の第1稿が出来てきた時点で気づいた事をダーッと鉛筆で書いていって、読みにくいだろうなと一応清書したんですけど、朝まで9時間かかったんです。次の日にまたそれをパソコンに打ち込んだんですよ、「歌に行くときはこのセリフをきっかけにした方がお客様にはわかりやすい」とかメモつきで。その日は、ちょうどワールドカップの決勝だったから、パソコンとテレビ見ながら10時間。「あー、やっと出来た」と思った頃に、ちょうどジダンも頭突きしてました(笑)。
―― アイデアが出てくるから、やりたくなるんでしょうね?
 ライブって、とくに自分の名前のライブは責任取らなきゃと思うんですよ。演出家の方には申し訳ないと思うけど、でも結果の責任は自分で取りたい。人のせいにしたくないじゃないですか。だからしつこいけどとことんやるんです。
―― 闘わない作品はない。
 そう、面白くならないような作品に出合うと、「じゃ、どこをどうすれば面白くなるかな?」って考えはじめちゃうんですよ。

(この後も、のめり込んでしまう真琴つばささんの“仕事振り”をご紹介。また今後の方向性についても。インタビュー中の動画もご覧いただけます。)⇒続きを読む

真琴つばさ The Live 2006 『La Notte』

期間・場所:
8月25日(金)〜27日(日) 新国立劇場 小劇場(東京都渋谷区本町1-1-1)【SOLDOUT(但し、当日見切れ席を販売)】⇒劇場のHP
9月17日(日)〜18日(月・祝) 大阪・そごう劇場(大阪市中央区心斎橋筋1-8-3)【SOLDOUT】⇒劇場のHP

出演:真琴つばさ、曾我泰久、力石理江(Key)、船曳耕市(B)

原案:真琴つばさ
脚本・演出:浅井さやか(One on One)

公演情報は宝塚プレシャス「公演案内ページ」でもご覧いただけます。


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