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宝塚プレシャス

タカラヅカ★列伝

貴城けいさん ― ドラキュラの色っぽさを

(2007.9.12)
 宙組の主演男役だった貴城けいが2月12日に退団して、すでに半年が経った。宙組での主演期間は7カ月ちょっとだったが、まるで一陣の風のように駆け抜けていった姿は、今も爽やかな印象となって残っている。退団後は美しい容姿を生かして女優として歩み始めていて、外での初舞台『愛、時をこえて─関ヶ原異聞─』も上演中だ。その貴城けいにこれからの抱負と宝塚時代への思いを語ってもらった。 (取材・文:榊原和子/写真:岩村美佳)
 
貴城けい

 たかしろ けい。女優。元宝塚歌劇団宙組主演男役。東京都出身。
 92年、宝塚歌劇団に入団。翌年、雪組に配属。06年、宙組主演男役就任。07年、宝塚歌劇団退団。
 宝塚在団中の主な作品に「仮面のロマネスク/ゴールデンデイズ」(97)、「浅芽が宿/ラヴィール」(98,99)、ベルリン公演「宝塚 雪・月・花/サンライズタカラヅカ」(00)、「アメリカン・パイ」(03)、「1914/愛/タカラヅカ絢爛」(04)、「飛鳥夕映え/タカラヅカ絢爛II」(04)、「ベルサイユのばら」(06)、「コパカバーナ」(06)、「維新回天・竜馬伝!/ザ・クラシック」(06)
 退団後の初舞台となる「愛、時をこえて―関ヶ原異聞―」で女優活動をスタート。10月「ヴェローナの二紳士」、11月「小原孝ピアノ・シアターコール・ポーター"Night&Day」に出演。
        ※   ※

  女性を楽しむ日々

―― 今日もスカートでとても似合うんですが、洋服などの切り替えが早かったですよね。
 現役時代の15年間、スカートをはいたことがなかったんです。まずスカートをはいたほうがいいし、はかないといけないかなと思って。最初はちょっと慣れないというのがあったんですが、だんだん楽しくなってきました。
―― 買い物なども変化があったのでは?
 そうですね。今まで素通りしていたお店にも入るようになったり、また違った発見が毎日あります。アクセサリーを選ぶのでも、これまでとは全然違って、もともとクロムハーツが好きで、今も太いチェーンのものとかも嫌いじゃないんですけど、もう少しフェミニンなのも身に付けるようになりました。幅が広がったと思います。
―― 女優さんになって仕事がどんどん決まってきていますが、退団をするときに、その後のことは考えていたのですか?
 退団を決めてからは、本当に時間がないというかスケジュールがたて込んでいて、それからの自分を考えるよりも、目の前にあるお稽古なり公演なりを全力でやっていかなければということに集中していて、なにか他のことを考えるような余裕はなかったんです。
―― では、退団したらまず何をしたかったですか?
 退団すると決めたときに、「退めたあとは、まずハワイに行こう」ということだけは決めていたんです(笑)。寒がりなので暖かいところがいいなと。景色もいいし、なんだかパワーがもらえそうな土地という気がして。
―― 行ってみていかがでした?
 すごくリフレッシュできました。現役時代って、旅行に行けたのは下級生の時だけで、ここ何年かは全然行く余裕がなかったので、本当に久しぶりでしたから。それにいつも覚えなくてはいけないことや、次にしなくてはいけないこととか、いろいろ考えることばかりの日々でしたから、そこからすっかり解放されてのんびりと過ごせました。
―― 所属プロダクションがオスカープロモーションということは、その時点では決まっていたのですか?
 それは帰ってきてからです。私はそういうことに疎くて、プロダクションについても詳しい情報を知らなくて、どこに入ったらいいのかわからない状態だったんですが。
 そういうなかでオスカーさんに決めたのは、熱心に「ぜひ」と言ってくださったこともありますし、所属していらっしゃるタレントのかたを見ても美しいかたばかりなので、単純に「わー、いいな」と思って(笑)。
―― 先輩の紫吹淳さんもオスカーですね。
 そうですね。それも嬉しかったです。ベルリン公演でご一緒しましたから。
―― オスカーの仕事は映像も多いと思うのですが、舞台とどちらに進みたいとかありますか?
貴城けいさん
 すごく欲ばりなんですが、両方やってみたいんです。舞台はこれまでやってきているので続けていきたいと思っていて、でもテレビメディアにも興味あるので。
 舞台は劇場に来ていただかないと顔を覚えていただけないので、お茶の間のかたにもできれば顔を覚えていただきたいなと思っているんです。
―― まずは舞台からスタートということですね。『愛、時をこえて』は主演で、ドラキュラものということですが。
 配役を聞いたとき、女性役かなと思っていたら、なんとドラキュラで(笑)、昼間は出雲の阿国にも化けているんですが、基本はドラキュラです。外でまで男役をやるとは思っていなかったので、「あれ?」という感じでした(笑)。でもファンのかたがたもきっと喜んでくださると思うし、退団して間もない時期だからできるというのもあるので。まだお稽古に入っていないので、イメージが漠然としているのですが、でも人間でない役は雪組時代に『浅茅が宿』で、りん弥という役をやっていますから。
―― りん弥は素晴らしかったですね。きれいで妖しくて。
 あれがあったので今回も少しイメージが作りやすいところはありますね。
―― 細川ガラシャの役で元花組娘役の華城季帆さんも出ますが、ドラキュラを恋する女性なのですか?
 いえ、私のほうが思いを寄せるんです、叶わぬ恋です(笑)。華城さんとは一度も共演したことはないんですよ。私はいろいろな組に出たのに花組だけ出てなくて。でも歌も上手だし実力のある人だから楽しみです。
―― 出雲の阿国のほうは歌舞伎の創始者で、男踊りもした人ですし、今までの貴城けいの枠でできそうな役ですね。
 でもそれだけでなく、これまで見れなかった新しい貴城けいをお見せしたいなと思っているんです。一応黒エンビも着るのですが、中身は男というわけではなく、でも女性でもなく、人間でもなくという、そういうドラキュラの色っぽさがでればいいのではないかなと思っているんです。
 ご一緒する市川段治郎さん市川笑也さんなどは、歌舞伎で有名なかたたちですし、とても力のある役者さんばかりなので、安心してぶつかっていこうと思っています。物語の設定も、戦国時代の日本にドラキュラが出てくるということで、時代劇と現代劇が混じっているような面白さですから、経験豊富なかたたちにいろいろ教えていただきたいです。
―― そして、そのあとも10月の『ヴェローナの二紳士』や、12月からの『チャングムの誓い』といろいろ決まって、充実感があるのでは?
貴城けいさん
 『チャングム』などとくにそうなんですが、みなさんに知られている作品に出られるのは幸せですよね。その作品に引かれて観に来るかたが多いと思いますから。そのなかで少しでも貴城けいのファンになってくださるかたがいたら嬉しいです。
―― 貴城さん自身も、退団後たくさん舞台を見に行かれていますね。
 ミュージカル系はもちろん観ますし、宝塚はやはり好きなので、全部は観きれないんですが、観られる限りは観ています。それから共演するかたたちの舞台、たとえば吉野圭吾さん『宝塚BOYS』なども観に行きました。
―― 舞台の観かたも変わりましたか?
 これまで男性中心に観ていたのが、自然に女性を観ていますね。初めの頃はうっかり男性を観ていたりして、いけない、いけないと(笑)。
―― 湖月わたるさんも『DAMN YANKEES』で大変化していましたね。
 すごくきれいでした。楽屋に行って「わたるさん、すごい!」と叫んでました(笑)。同時期に退団したかたががんばっていると、なんだか感動します。

貴城けいさんインタビューの後半は、宝塚歌劇団時代のお話。シャッフル時代にさまざまな組に出演したこと、そして宙組主演男役に就任したときのお話を伺いました。

『愛、時をこえて─関ヶ原異聞─』

期間・場所:
《大阪公演》2007年9月9日(日)〜10日(月) 浪切ホール 大ホール
《名古屋公演》2007年9月12日(水)〜13日(木) 中京大学文化市民会館 プルニエホール(旧名古屋市民会館中ホール)
《東京公演》2007年9月19日(水)〜24日(月・祝) THEATER1010
出演:貴城けい、市川段治郎、華城季帆、市川笑也 ほか
作・演出:岡本さとる
音楽:加藤和彦
衣装スーパーバイザー:ホリ・ヒロシ

公演の詳しい情報は⇒宝塚プレシャス公演情報ページへ


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