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彩吹真央さん―大人のファンタジー

(2007.10.13)
 雪組の二番手男役スターの彩吹真央が主演する舞台『シルバー・ローズ・クロニクル』が、10月5日に梅田芸術劇場ドラマシティで初日を迎えた。ドラキュラの少女に恋をした1人の青年の、成長と冒険をポップにロマンティックに描いたこのミュージカルは、『NAKED CITY』以来、3年ぶりの小柳奈穂子作品。気心の知れた演出家の舞台に張り切る彩吹真央に、初日を前に抱負を聞いた。 (取材・文:榊原和子/写真・小林勝彦)
 
彩吹真央

あやぶきまお。宝塚歌劇団雪組所属。大阪府出身。
1994年、宝塚歌劇団入団。『火の鳥』で初舞台。『源氏物語 あさきゆめみし』(00年)で新人公演初主演、『月の燈影』(02年)でバウホール公演主演、『NAKED CITY』(04年)でバウホール公演単独初主演。
詳しいプロフィールは⇒宝塚歌劇団「スターファイル」へ

  エリオットに励まされて

―― まずは、作品の中身と役柄を教えてください。
 エリオットという名の青年の役で、「シルバー・ローズ・ファーマシー」という製剤会社の庶務課に勤めています。彼は幼い頃に両親を亡くしていて、育ててくれた祖父が作った「銀のばら」という映画を観ることだけが心のよりどころで、というかそれだけを観て過ごしてきたので、なかなか他の同僚と人間関係もうまくいかなかったり、閉鎖的になっているんです。
 それがある日、隣に越してきた少女に恋をしてしまう。アナベルというその少女は実はバンパイアなんですが、「銀のばら」のヒロインにそっくりで、エリオットは彼女を知ったことで、冒険もするし内面も変わっていく。そういう青年の成長の物語です。
―― ポスターのホラーチックなイメージと違って、日常的というか青春ものみたいですね。
 青春ものともいえますし、ファンタスティックなところもあるし。悪役が出てきたりする現実的な部分もありますが、バンパイアの兄妹が出てくるところなどは非現実的ですし、宝塚らしいよさと一般のミュージカルの楽しさもある、大人のファンタジーという感じでしょうか。
―― 作・演出の小柳さんとは、好評だった『NAKED CITY』についで2作品目ですが、今回はちょっと色が違いますね。
 『NAKED CITY』も新鮮でしたが、今回もまた今までにない役をいただいたなと思いました。『NAKED CITY』は陰のある青年で、かなりかっこいい役だったのですが、今回はかっこいいという場面は、最後の最後にやっと出てくるかなというくらいで(笑)。宝塚的に言えばかっこよくない人なんですが、そういう役に挑戦するのは初めてですし、そういう人ががんばって生きていくかっこよさ、みたいなものをお見せできたらいいなと思っているんです。
―― 庶務課の人が主人公ということ自体、宝塚ではあり得ないですね。
彩吹真央さん
 小柳先生も稽古が始まってからも、「いいのかな?」みたいな感じを持っていらっしゃったみたいなんですが(笑)、私は「全然かまいません」と言いました。先生もある意味で冒険ですし、私もこの役に挑戦することが冒険ですから。
 エリオットという主人公は、物語の中ですごくがんばるんですね。ですから稽古中からエリオットに励まされていますし、きっと舞台に立ってからも、彼に後押ししてもらえるのではないかなと思っています。
―― 彩吹さんは、ある時期まで少年性を残した役とか等身大の役が多かったですよね。それがこの1〜2年、すごく大人の役が多くなって。でも今回は以前みたいな感じの役に戻るんですね。
 そうなんです。『エリザベート』のフランツも、若い頃はありましたがわりと落ち着いていたし、けっこう渋い役を何作か演ってきました。稽古場でこんな若い声を出すのが久しぶりだなと(笑)。等身大というより、もっとピュアかもしれませんね。社会人なんですが、少年の心を忘れない青年で、すごく純粋な人です。
―― 俗世にまみれてないから、ドラキュラの兄妹とコミュニケーションしやすいんですね。
彩吹真央さん
 でも逆に、死んだおじいさんとだけしか会話してこなかったという孤独感も、彼にはあるんです。だから宝塚で仲間に囲まれて生きている人間としては、そういう孤独感があまりないので、役作りはなかなか難しかったですね。でも仲間がだんだん増えるにつれて自信が持ててという部分は、自分にも全然無縁というわけではないし、いろいろリンクさせて考えています。夢を諦めずに持ち続けたいというエリオットの気持ちは、私が宝塚に対して抱いている夢と同じかなと思いますし。
―― 小柳さんの作品の特徴は、私たちと遠くない感情を持った登場人物を描くことですね。
 リアリティがあるんですよね。この世界のどこかに生きている人という気がします。今回は全員、こんな人いるなという感じですし、かつ個性豊かですから、楽しみに観てもらえると思います。

彩吹真央さんインタビューの後半は、『シルバー・ローズ・クロニクル』で共演する雪組メンバーのことなどを伺いました。

雪組公演『シルバー・ローズ・クロニクル』

作・演出:小柳奈穂子

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ公演:2007年10月5日(金)〜10月17日(水)
詳しくは⇒宝塚歌劇団公演案内ページへ
日本青年館大ホール公演:2007年10月23日(火)〜10月29日(月)
詳しくは⇒宝塚歌劇団公演案内ページへ


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