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霧矢大夢さん&羽桜しずくさん ― 博多座でビル&サリー

(2008.8.14)
 博多の夏には、熱い舞台がよく似合う。今やすっかり定着した8月博多座の宝塚歌劇公演、今回は月組で、大阪、東京と大きな盛り上がりを見せていた人気ミュージカル『ME AND MY GIRL』が、主演者も新たに上演されている。ビルには霧矢大夢、サリーには羽桜しずく、名曲揃いのミュージカルの主役にふさわしい歌唱力抜群の霧矢と、新人公演でサリーを演じて初々しさと美しさで観客の注目を浴びた羽桜の組み合わせは、新鮮で新しい『ME AND MY GIRL』の世界を見せてくれるのではないかと期待が集まっている。 (取材・文:榊原和子/写真:小林勝彦)
 
霧矢大夢

 きりや ひろむ。宝塚歌劇団月組男役。大阪府出身。
 94年、宝塚歌劇団入団。『ブラック・ジャック 危険な賭け/火の鳥』で初舞台。花組配属。
 『ハウ・トゥー・サクシード』(96)で新人公演初主演。97年、月組に組替え。『更に狂はじ』(00)でバウホール公演初主演。『SLAPSTICK』(02)でバウホール公演単独初主演。(写真左)

羽桜しずく

 はざくら しずく。宝塚歌劇団月組娘役。北海道出身。
 03年、宝塚歌劇団入団。『花の宝塚風土記』で初舞台。星組配属。07年、『シークレット・ハンター』新人公演で初ヒロイン。
 08年、月組に組替え。『ME AND MY GIRL』新人公演でヒロイン。

  みんなが役替わり

―― 本公演が終わったとたん、別の役で同じ公演の稽古をすることに、戸惑いはありませんでしたか?
霧矢大夢:  あまりお稽古期間がないので、戸惑うひまさえない状態で取り組んでいます。ほとんど全員といっていいほど役替わりがあったり、新しい役が加わったりで、全員が覚えることがいっぱいという感じです。
―― 霧矢さんは本公演ではジョン卿で、ビルとの場面が多かったのですが、セリフなどごちゃごちゃになりません?
霧矢:  それが意外と「ジョン卿はここで何言ってたっけ?」みたいに忘れているんです(笑)。今までも役替わりはありましたが、うまく頭が切り換えられてるのか、自然に前の役のことは忘れてるし、そうでないと務まらないんだと思います。
 ただ、歌になると若干ジョン卿が出るときがありますね。かけ合いみたいな時に(笑)。
―― 羽桜しずくさんは、サリーを新人公演でやったのは強みですね。
羽桜しずく:  でも、今は周りのかたが上級生ばかりなので、やはり緊張します。新人公演では場面がいくつかカットになっていたのですが、それが復活して気持ちの流れが一貫してきましたので、覚えるのはたいへんですけど通してやれることは幸せです。
―― 霧矢さんにとって、羽桜さんとのコンビは新鮮なのでは?
霧矢:  面白いですよ、いろいろな意味で。いまどきいないタイプで、ちょっと受け身っぽいというか。
 2人で芝居を作っていくときって、その人の個人的な背景を知らなくても、役や芝居の話をしていくなかで、自然にその人を知るってことがあるじゃないですか。そういう点で今は1つ1つ新鮮だし面白いですね。ふとしたときに、「私は学校時代はこうだったから」とか、そういう日常的な会話から理解していってるところです。
―― 雑談のなかでお互いを理解し合う感じですね。
霧矢:  そういうところからその人の人となりが見えてきますからね。舞台も同じで、やっぱり人柄って見えてしまうものですよね。

  オジサンは助けたい

―― 羽桜さんは、月組にきて約半年、霧矢大夢さんとは学年も違うのでこれまで縁がなかったのでは?
羽桜しずくさん
羽桜:  本当に、今までほとんどすれ違うだけのかたで。
霧矢:  挨拶程度だったね(笑)。博多座でサリーをやると決まってから、ちゃんと向き合ったんです。
羽桜:  はい。すごく気さくで温かいかたで、私は人見知りで心臓がバクバクしていたんですけど(笑)、すごく私のお芝居のことまで考えてくださって、いろいろ指導してくださるので頼っています。本当は頼るなんて情けないんですけど。
霧矢:  ううん、全然。私も「顎で受けとめて」なんて歌ったりして。
―― 霧矢さんに「顎で受けとめて」を歌われたら、ちょっとかなわないですね。
羽桜:  はい。
霧矢:  (笑)。私はもともと観るほうも好きなので、本公演でもいつも花道から自分の出てない場面などを観ているんです。ついでにエラそうにみんなに思ったことを言ったりするんですが。
 この作品って、サリーがお話を動かしてるといっても過言ではないと思うんです。ビルは周りに乗せられて動いてる部分がありますけど、サリーの心の変化があるから、周りの人たちが助けてあげたい、2人を結ばせてあげたいと思うわけですから。そこが中途半端だとダメなんですよね。
 ジョン卿をやっていたときにすごく感じたんですが、サリーは、助けてあげたいという気持ちになるカワイイ子でないといけないということで、そうでないと、オジサンは(笑)心が動かないんです。羽桜はまだ大きい役に慣れてないし、月組にも慣れてないし、いろいろ遠慮があって、私に話しかけるときにも眉間にしわをよせて話しかけてくる状態で(笑)、それじゃダメだから、「そんなんやったら、オジサン助けたいと思わないから」と(笑)。
―― オジサンとしては、サリーが健気に明るくしてるからこそ。
霧矢大夢さん
霧矢:  そうなんです。明るくしている姿に心惹かれたんだからねと。
 2人のデュエットで「ホールド・マイ・ハンド」という曲があって、私が手を握って引き寄せるときも、なんか全身に力が入ってるんですよ(笑)。だから「ちょっと待って。男の人が抱きしめようとしてるときに、彼女がガチガチだったら引くから」と(笑)。「好きな人にちゃんとゆだねないとアカンで!」ときつく(笑)言いました。
―― 力が入ってしまうんですね。でもそこが初々しくていいですね。どこかしっかりしてそうな部分は、サリー的ですね。
霧矢:  サリーって自分をわきまえていて、みんなのこともわかってあげる賢さや強さがあると思うんですが、羽桜にも、そういう優しさ、芯の強さといった母性的な部分はありますね。見かけは弱々しいけど。北海道出身なので、“根強さ”のようなものがあるし。雪かきとか、がんばってた?
羽桜:  (笑)。

 インタビュー後半では、ジョン卿としてビルを見てきた霧矢さんが、その経験をどう活かしているか、またサリー役に大抜擢された羽桜さんの気持ちなどをうかがいました。どうぞお楽しみに。

宝塚歌劇月組博多座公演
ミュージカル『ME AND MY GIRL』

Book and Lyrics by L.ARTHUR ROSE and DOUGLAS FURBER
Music by NOEL GAY
Book revised by STEPHEN FRY Contributions to revisions by MIKE OCKRENT

作詞・脚本:L・アーサー・ローズ&ダグラス・ファーバー
作曲:ノエル・ゲイ
改訂:スティーブン・フライ
改訂協力:マイク・オクレント
脚色:小原弘稔
脚色・演出:三木章雄

場所:博多座
期間:2008年8月1日(金)〜24日(日)
公演の詳しい情報は⇒宝塚歌劇団公演案内ページへ


霧矢大夢さん・羽桜しずくさん

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