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医療・健康
朝日新聞社

薬害を訴えて C型肝炎訴訟 〜患者を生きる〜

初出:2008年2月26日〜3月2日
WEB新書発売:2011年7月11日
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 長男を出産したあと肝炎になった高木京子さん。病状は徐々に悪化して肝硬変になり、必死で治療を続けていました。そんなとき、新聞に高木さんが出産した病院の名前が。血液製剤フィブリノゲンが納入された医療機関のリストでした…。(文中の肩書き、年齢などはすべて掲載当時のものです)


長男の出産後、急性肝炎に


 20日午後。福岡市の福岡地裁で、薬害C型肝炎九州訴訟の和解協議があった。
 「よろしいですか?」
 裁判長が和解条項案を読み上げて尋ねると、原告側と国側、双方の代理人が「結構です」と返答した。第1陣に続き、第2、第3陣の原告40人の国との和解が成立した。
 原告番号28番。福岡県古賀市の高木京子(たかぎきょうこ)さん(59)=仮名=は傍聴席で、夫の進(すすむ)さん(64)=同=とうなずいた。
 長男(28)を出産後、肝炎と診断され、以来、通院を続けてきた。肝硬変から肝臓がんへ進み、いまは、がんの栄養源となる血管をふさぐ肝動脈塞栓(そくせん)療法を受けている。
 「出血があったので、輸血をしました」
 80年2月、福岡市内の産科医院の待合室で、進さんは医師に告げられた。初産で、分娩(ぶんべん)に17時間かかり、長男は吸引で取り出された。京子さんは約1リットルの出血があった。
 それでも1週間ほどで、母子ともに退院できた。初めての育児は、楽しかった。
 だが約1カ月後、久しぶりに訪れた京子さんの母が驚いて言った。「あなた、目が黄色いし、顔も茶色だよ」
 福岡市の浜の町病院を受診すると、「非A非B型」の急性肝炎と診断され、そのまま入院した。感染の原因は出産時の輸血しか考えられなかった。「でも、それで命が助かったのだから」と京子さんは自分に言い聞かせた・・・

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