医療・健康
朝日新聞社

腎臓のシグナル ―全身性エリテマトーデス 〜患者を生きる〜

2014年02月17日
(5300文字)
apital

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 体のだるさやむくみ。検査を受けると難病のSLEと診断されました。免疫の異状で全身に炎症が起きる病気です。妊娠を望んでいましたが、特に腎臓の状態が悪いと分かり…(文中の肩書、年齢などはすべて掲載当時のものです)


「ぐーたら病」なのかな


 右手がダラーンとしたまま上がらず、拳を握ろうとしても力が入らない――。
 2003年夏、静岡県の伊豆地方で暮らす渡辺(わたなべ)ゆきえさん(41)は目が覚めると、腕の異常に慌てた。
 前年に結婚するまで小児病院などで看護師をしていた経験から、関節リウマチを疑った。東京都内の大学病院を受診したが、原因はわからなかった。
 しばらくすると、手の状態は良くなったが、家事をするだけでぐったりと疲れ、何もやる気が起きなくなった。
 学生時代には合気道で全国大会に出場、社会人になっても弓道に打ち込み、体力には人一倍、自信があった。
 「『ぐーたら病』になっちゃったのかな……」
 仕事を辞めて家にいる生活が悪かったのかもしれないと思い、その年の冬、地元の病院で再び働き始めた。すると「顔がむくんでるよ」と、周りから指摘された。はっきりとはしなかったが血尿が出ているような気もした。「やっぱり、何かおかしい」
 04年1月に大学病院を再度受診。翌月、採血の結果を聞きに行くと、医師は「入院して検査をしないと詳しくはわからないが、『SLE』でほぼ間違いないと思います」と、告げた。膠原(こうげん)病の一つ「全身性エリテマトーデス」という病気の略称だ。
 「本来は自分の体を守る働きをする免疫が暴走し、皮膚や関節、腎臓や神経など、全身のさまざまなところに炎症を起こす病気です」。医師の説明を聞きながら、頭の中にあった「治らない病気」「難病」というイメージが、ぐるぐると渦を巻いた。
 「なぜ、よりによってSLEなの……」
 帰宅する列車の中で、涙があふれて止まらなくなった。体のだるさやむくみはあったが、どこかが痛むわけでもなく、すぐにはその現実を受け止められなかった。
 これからの検査や治療など、病院で説明を受けたことを話すと、夫は「でも、治るんでしょ?」と、聞いた。
 「そんなんじゃないよ。重い病気だから、死んじゃうかもしれないんだよ!」。やり場のない怒りを、思わずぶつけた・・・

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腎臓のシグナル ―全身性エリテマトーデス 〜患者を生きる〜
216円(税込)

体のだるさやむくみ。検査を受けると難病のSLEと診断されました。免疫の異状で全身に炎症が起きる病気です。妊娠を望んでいましたが、特に腎臓の状態が悪いと分かり…。「患者を生きる」免疫と病気シリーズ。[掲載]朝日新聞(2012年12月25日〜12月30日、5300字)

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