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朝日新聞社

百貨店は変わったか 大丸、東急、三越… 札幌の攻防

WEB新書発売:2010年8月13日
朝日新聞

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訪れるたび、違う楽しさ 大丸、開業7年「地域一番店」

 「Let’s(レッツ) 女子会!」――。大丸札幌店はこの夏、女性客に照準を絞った新手のパーティープランを8階のレストラン街で始めた。
 販促用チラシは淡いピンク色。若い女性が満面の笑みで乾杯する光景を可愛いイラストで描き、「4人以上の女性グループでお得」と売り込んだ。1人2千円前後で料理がふんだんに楽しめる。格安な飲み放題プランも用意した。
 女性だけで食事とお酒を楽しみながら語り合う女子会。「気兼ねなく楽しめる」と全国的に人気が高まるが、百貨店がこの女子会を前面に集客に乗り出すのは珍しい。
 レストラン街だけではない。大丸は、斬新な催事企画を次々と打ち出す。
 例えば、2010年7月下旬に始めた「産直マルシェ」。新鮮な道産野菜を産地から運び、手頃な価格で販売する。催事場は「百貨店の顔」といわれる1階の正面入り口前。高級感が漂う場所に軽トラックを横付けし、荷台で売り込んだ。

 大丸が開業して10年3月で7年が過ぎた。初年度2200万人ほどだった来店客は、09年度に2400万人を超えた。開業から増収が続き、売り上げは511億円に。経営破綻(はたん)した丸井今井を抜き、「地域一番店」となった。
 百貨店業界は消費不況で売り上げの前年割れが続く。それでも大丸札幌店の勢いは止まらない。毎月の売り上げが10年6月まで10カ月連続で前年を上回る。全国の大丸各店で業績が好調なのは、旧そごうを引き継いで増床し、若い女性客を取り込んだ大阪・心斎橋店と札幌店だけだ。

 「JR札幌駅に隣接した立地の良さ。天井が高く、圧迫感を感じずに買い物ができる。高級ブランドは多くない。札幌の消費水準に合った品ぞろえで買いやすい」
 小樽商科大大学院の近藤公彦教授(48)=マーケティング論=は大丸の好調さをこう分析した。
 ただ、それだけでは成長は続かない・・・

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