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科学・環境
朝日新聞社

世界遺産・知床の夏 大自然を歩く

WEB新書発売:2010年9月3日
朝日新聞

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陸にはヒグマ、海にはアザラシ、イルカにクジラ、そして空には数万羽のハシボソミズナギドリ…。世界自然遺産に登録されて5年。豊かな自然生態系を守りながら、この大自然をいかに人が活用していけばよいのか。知床の夏を歩き、見たものとは。


ヒグマと共生、探って

 北海道・知床半島先端部のカシュニの滝近く、切り立った崖(がけ)にヒグマが海を見つめるように立っていた。すぐに崖をおりたヒグマは海岸の岩場を歩き、滝の後ろを通って山へ戻って行った。


 2010年6月中旬、斜里町ウトロから遊覧船に乗り、半島先端の知床岬を目指した。陸路はない。船からのヒグマウオッチング。岬までの途中3カ所で親子連れや単独のヒグマを見た。10年のキャリアを持つ遊覧船の船長によると、ヒグマ観察の最高記録は、1日25頭にものぼるという。
 ヒグマは陸上生態系の頂点に立つ。野生動物の調査研究に取り組む知床財団は、知床の1歳以上のメスの生息数を約150頭と推定。オスも加えると世界的にも高密度に生息する知床のヒグマは、自然の豊かさの象徴でもある。
 しかし、年間約200万人の観光客が訪れる半島基部の斜里、羅臼両町ではヒグマと人のあつれき対策が課題だ。両町でのヒグマによる死亡事故は狩猟者が逆襲されて死亡した1985年以来起きていない。だが・・・

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