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政治・国際
朝日新聞社

民主大敗、民意どこに 政権交代1年、参院選を分析

WEB新書発売:2010年9月10日
朝日新聞

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〈政策評価〉「政治とカネ」「普天間」厳しい目

 2009年の政権交代から参院選までに民主が実施した政策や直面した課題などについて有権者に聞いたところ、鳩山政権退陣の引き金となった「政治とカネ」の問題、米軍普天間飛行場の移設問題がやはり厳しい評価を受けた。東大の谷口将紀教授は「退陣したとはいえ、鳩山由紀夫前首相が参院選の民主敗北について免責されることにはならない」と指摘している。
 評価は「大いに評価する」(=5)から「全く評価しない」(=1)まで通信簿と同様、5段階で評価してもらった。
 15項目の中で最も評価が低かったのは、小沢一郎前幹事長と鳩山氏の政治資金問題への対応で、それぞれ平均で1・7、1・9だった。民主党支持者の評価もそれに近いが、民主党の参院議員はそれぞれ中間の2・9と3・0で、世論と議員の認識のギャップが浮き彫りになった。
 次に低い評価を受けた普天間問題は、さすがに参院議員の評価も2・6と最も低かった。マニフェストとのぶれを感じさせた高速道路の新料金制度も有権者、議員の双方から厳しい視線を向けられた。
 一方で、子ども手当、農家の戸別所得補償などは、議員の評価は高いのに、有権者の評価はそれほどでもなく、その差は大きい。民主党代表選では、財源の制約からマニフェストの修正はやむを得ない、とする菅直人首相の陣営に対し、小沢氏陣営はマニフェストの完全実施を求めているが、有権者はばらまき色の強い政策はあまり好んでいないといえる。
 有権者の評価が最も高かったのは、枝野幸男幹事長らが手がけた事業仕分けで、4・1。事務次官会議の廃止と公共事業予算の削減はそれぞれ3・3、外務省の密約問題の調査、温室効果ガス25%削減がそれぞれ3・2と続く。菅首相の消費税10%発言は民主の参院選敗北の一因となったが、有権者はまずムダの削減や省庁の改革を期待していることがみてとれる。


〈好感度〉鳩山氏へ反感、民主離れ加速

 有権者が民主に抱く好感度は、政権交代を果たした2009年の衆院選時と比べて大きく落ち込んだ。党の顔である鳩山前首相への反感が民主離れを加速させたが、参院選直前に菅首相にその座を譲ったことで、党のイメージ悪化に一定の歯止めがかかった状況も読み取れる。
 有権者には「感情温度」という手法を用いて党や党首に対する好感度を探った。「強い好感」を抱けば100度、「強い反感」なら0度、中立なら50度という形で答えてもらった。
 回答した有権者全体の民主への感情温度は、衆院選では58度だったのに、参院選では・・・

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