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特別版
朝日新聞社

言葉で行動で エイズと闘ったセレブたち

WEB新書発売:2010年9月1日
朝日新聞

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 古くはエリザベス・テイラーから、最近ではレディー・ガガまで、エイズ支援に積極的なアーティストは多い。エイズとエンターテインメント界の関係は深い。アメリカや英国では1980年代後半から1990年代、業界内に感染者が多かった。身近で働いていた人々を失った衝撃で、多くの芸能人が単なる社会貢献活動という以上の熱意をもって、エイズ支援や啓発活動に立ち上がった。一流スターたちによる大キャンペーンは、全世界に大きな影響を与えた。
 日本でも桑田佳祐らミュージシャンによるアクト・アゲインスト・エイズコンサートが毎年開かれている。言葉で、行動で、エイズと闘った国内外のセレブたちを朝日新聞の紙面で振り返る。

(1)マドンナさん セックスは売り物ですか:1992年
(2)コンドーム訴え、NHKの殻破る エイズ阻止で紅白歌合戦の本木雅弘:1993年
(3)生と死と性がリアルな問題 ストレートに表現したい 宮本亜門さん:1993年
(4)薬物とアルコールから脱却、今はクリアな頭で 新アルバム発表 エルトン・ジョン語る:1993年
(5)マジック・ジョンソンさん ジョンソンスマイルは変わりませんね:1994年
(6)スポーツを子供たちの生きる希望に マラソンランナー・有森裕子さん:2005年
(7)桑田佳祐、今年は映画音楽を熱唱 パシフィコ横浜で「AAA」:2009年
(8)奇抜なファッションはアートの域 レディー・ガガ、「メークは勇気くれる」 :2010年


(1)マドンナさん セックスは売り物ですか

 ご存じのセックスシンボル。「光栄だわ、その称号」。さらりと言って、ほほえみもしない。
 次の仕掛けは、『SEX』という写真集。10月21日に欧米で同時発売される。「本当はXにしたかったの。タブーの象徴として」
 タブーはこれまでにも十分破ってきた。今回の『SEX』は「自分のファンタジーを具体化したもの」。同性愛、集団セックス、SM。自分を被写体にして、この「空想」の世界を見せる。
 「純真な夢見る乙女にも、筋骨たくましい男性にも、私はなれる。どちらも私の一部だから。女性はだれでも、さまざまな“もう1人の自分”を抱いているものでしょう」
 「女らしさ」に自分を閉じ込めない姿勢が女性をもファンにする。「レズやゲイを恥じたり、差別することは間違っている。あるがままに受け入れればいい」
 『SEX』に託したメッセージ「安全なセックスを」には、切実な響きがある。ショービジネスに目を開かせてくれた最初の恋人と、貧しかったころにルームメートだった男性の2人がエイズで死んだ。
 だが、奔放な性のイメージから、だれがこのようなメッセージを読み取ることができるだろう。「若者の多くは理解しないかもしれない。でも、ポルノ雑誌やテレビの暴力シーンから、彼らを遠ざけておくことはできないでしょう。みんな成長して、自分の頭で考えるようになるのよ」
 6歳の時、生みの母を乳がんで失った。厳格なカトリック教徒の父親との葛藤(かっとう)はよく知られている。「父がいけないと言うことを私はやってきた。けれど、勤勉の精神は彼から学んだわ」
 今、子どもを産んで育てたい、と思う。子どもには、いつもそばにいる父親が必要だと、マドンナは信じている。
 (ハンブルク=山本敦子/1992年10月19日朝日新聞掲載)

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