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特別版
朝日新聞社

「命をつなぐ」エイズは今 世界のどこかで起きている現実

WEB新書発売:2010年9月1日
朝日新聞

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(1)〈インタビュー〉キャロル・ニィレンダさん 「せめてあと1カ月だけ、生きたい」と神に祈った
(2)〈グラフ特集〉オープニング記念講演会
(3)〈グラフ特集〉キャロル・ニィレンダさんが語るエイズ、女性、アフリカ
(4)〈グラフ特集〉エイズと向き合う 「命をつなぐ」より


キャロル・ニィレンダさん 「せめてあと1カ月だけ、生きたい」と神に祈った


 つま先まである緑のロングスカートをたくし上げてのぞいた足は、ゾウの肌を思わせた。腫れ物が枯れて固まったような厚い皮膚と深く刻まれたしわ。HIV(エイズウイルス)に感染し、ガンの一種カポジ肉腫を発症したあとだ。
 出身のザンビアの病院で受けた血液検査で陽性と出たのは8年前。夫を亡くし2年たっていた。うわさが広がり、街を歩くと「感染するぞ」と指さされた。経営していた食堂の客足は遠のき、自身もやがて寝たきりに。金の工面に奔走する兄に、近所の人は、あきらめて薬代で家畜を飼えと諭した。2児の母でもある。子どもの学費を払えないことがつらかった。やがて治療をやめた。
 命を救ったのは、そのころ、米国政府の支援を受けて国内の病院で始まった抗HIV薬の無料提供。歩けるようになったころ、ほかの患者の支援活動を始め、感染者らによるNGOを立ち上げた。・・・

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