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朝日新聞社

立ち直れるか大相撲 何を変え、何を残すか

WEB新書発売:2010年9月17日
朝日新聞

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公益法人へ固まらぬ下地

 「公益法人の認可が得られなければ、国技館を手放すのはもちろん、賜杯の帰属すら怪しくなる」。日本相撲協会のある理事は、こう言って危機感を募らせた。
 財団法人という国の「お墨付き」を得て興行を続けてきた協会。これが、優勝力士が手にする天皇賜杯とともに、大相撲という伝統と文化を支えているという自負の源だった。だが協会はいま、2013年11月末までに新たな公益法人制度に基づく認可が受けられるか、微妙な位置に立つ。

 認可を得られないと、国技館を他団体に寄付したり、協会がこれまでにためた約35億円にのぼる内部留保を国庫に返納したりしなければならない。公益法人として築いた財産は「公」に帰属するためだ。
 親方や力士による賭博関与、暴力団との交際疑惑は認可以前の大問題だった。解雇や降格を含む計32人の大量処分と、放駒理事長(元大関魁傑)による「暴力団排除宣言」で、公益法人の認可に向け、ようやくスタートラインに立った。ただ、越えねばならないハードルはこれから先にある。
 「本場所の開催などで挙げた利益が『公共の利益のために活動した結果』と言えるかどうか。今のままでは認可は難しい」。協会の改革案づくりにあたる「ガバナンス(統治能力)の整備に関する独立委員会」の副座長、中島隆信・慶大教授は指摘する。
 協会の屋台骨を支えるのは親方が持つ計51の部屋だ。部屋の土地や建物は、すべて親方の個人資産。力士をスカウトする旅費、力士の衣食住も親方が調達する。大阪、名古屋、福岡の地方場所の宿舎の手配も親方が自前であたる。
 協会は部屋に土俵の維持費や力士の養成費などを払っているが、今のままでは親方が発掘、育成した力士を使って協会が金もうけをしている、とみられる可能性がある。こうした仕組みが、長年、反社会的勢力との関係を断ち切れなかった背景にある。
 独立委の一部委員の間では、協会が直接管理する部屋を造り、そこに親方を派遣する、というアイデアが出ている・・・

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