【お知らせ】WEB新書は閉店しました。

経済・雇用
朝日新聞社

高速道路会社 改革と逆走と 公団民営化から5年

WEB新書発売:2010年10月15日
朝日新聞

このエントリーをはてなブックマークに追加

 旧道路関係4公団の分割民営化から5年。公団時代の高速道路建設で40兆円に膨らんだ借金を確実に返し、サービスも良くし、無駄な道路は造らない――。そんな理念に沿って一定の成果も見えはするが、手放しに評価はできない。政治に翻弄(ほんろう)される姿も相変わらずだ。

PA一新、売り上げ倍増

 埼玉県深谷市の関越自動車道上り線に、南仏調の建物がひときわ目立つ。「寄居 星の王子さまPA(パーキングエリア)」。9月下旬の休日、横浜市の会社員村上寛さん(36)夫婦は、下り線から上り線に乗り直し、PAにやって来た。目的地は、ここの南仏風レストラン。「味は街中のレストランに負けていないですね」

 民営化で生まれた東日本高速道路が6月末にオープンした。狙いは、従来のSA(サービスエリア)やPAのイメージ刷新。「非日常性」「癒やし」をコンセプトにパートナーを探す中で、仏小説「星の王子さま」の関連ビジネスを手がける企業と出合った。
 薄茶色で統一された瓦ぶきのPAに、かつての面影は無い。店内の商品は、ほぼすべて輸入品。地元の土産物売り場はない。飲料の自動販売機も屋外の目立たぬ場所に数基あるだけ。レストランではタキシード姿の店員が忙しく動き、テラスに並んだパラソルでは女性客が話の花を咲かせる。PAの月間の売り上げは、改装前の2倍で推移している。

 「多様で弾力的なサービスや料金」は、民営化の目的の一つ。「星の王子さま」はその代表的な成果だ。東日本高速の2009年度のSA・PAの売上高は1391億円と、前年度より12%増えた。
 高速道路の料金収入は、高速道建設で積み上がった借金の返済に回るが、SA・PAからあがる収益の使い道は各社の自由。これが動機づけになっている。
 料金にも様々な割引が導入された。国土交通相の許可は要るが、各社は自ら料金を設定でき、「地方の通勤5割引き」「大都市近郊の早朝・夜間5割引き」といった割引を実現。国の景気対策として09年3月下旬から始まった「休日上限1千円」なども加えれば、東日本の場合、割引前の料金(定価)に比べて全体で平均4割引きになっているという。・・・

このページのトップに戻る