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朝日新聞社

「投魂」新たな結実 中日、歴史的混セを制す

WEB新書発売:2010年10月15日
朝日新聞

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「投魂」新たな結実 中日、大逆転Vの軌跡
 2010年のプロ野球セ・リーグは、中日が4年ぶり8度目のリーグ制覇を果たした。6月末には一時、首位と8ゲーム差をつけられたが、プロ野球新の5試合連続零封勝ちなど、防御率リーグ1位の投手力を軸とした戦いで徐々に追い上げ、9月10日に約5カ月ぶりに首位に浮上。先発・救援ともに層の厚い投手陣を中心とした守りの野球で、強力打線の阪神、巨人との終盤デッドヒートを抜け出し、逃げ切った。落合博満監督は2004年の就任以来3度目の栄冠で、優勝回数は星野仙一氏を抜き球団史上最多となった。


夏の零封ショーで勢い一気 今季のドラゴンズ

 「今日もピッチャー」。今季の落合監督の口癖だ。打高投低の色濃かった今季の球界で、両リーグ唯一のチーム防御率3点台前半。頭一つ抜けた投手陣で、中日が4年ぶりの頂点に立った。
 先発は吉見とチェン、中継ぎは浅尾と高橋、平均年齢25・8歳の4人を左右の柱に確立。勝利数合計は41と全体の半数を超え、浅尾はホールドのプロ野球新を記録した。
 前回優勝の2006年、浅尾は入団前。残る3人も戦力にはならなかった。しかし、07年オフに中継ぎの柱の岡本が、08年限りでエース川上が去る。首脳陣が投手陣再編の軸と見込んだのが、力で押せるこの4人だった。
 「絶対的存在がいれば、他が回しやすくなる」とは森ヘッドコーチ。08年は規定投球回到達者はゼロだが、吉見とチェンを中継ぎと先発の両方で起用、北京五輪で不在の岩瀬に代わり、浅尾に一時抑えを任すなど、適性を見極めつつ使った結果だった。
 09年は吉見とチェンを先発に固定。下位の広島、横浜戦を中心に先発経験を積ませた。「自信を持たせる意味もあった」(森ヘッド)。吉見は最多勝(16勝)、チェンは1点台で最優秀防御率のタイトルをつかむ。先発志向だった浅尾は開幕投手に抜擢(ばってき)したが、勝てなくなると1カ月でブルペンに戻した。「先発への未練を断ち、救援に集中させる考えがあったようだ」と球団関係者。好不調の波が大きかった高橋には場数を踏ませ、安定感を付けさせた。
 迎えた今季の開幕投手は吉見。チェンとともに巨人、阪神戦が軸のエース待遇になった。吉見は「強豪と当たるのは宿命と思った」。春先は2人とも勝ち星を稼げず、高橋と浅尾をフル回転させてしのぐ。夏前から吉見とチェンが復調し、ブルペンの負担を減らした。

 抜群にかみ合ったのが7月16日からの5戦連続零封勝ちだ。山井、中田賢、チェンと実績のある先発が3連続完封し、経験の薄い岩田とネルソンはブルペンがサポートした。翌日も取って6連勝で前半終了。最大8あった首位とのゲーム差を3に詰めた。9月の最初の9試合を防御率0・75、7勝1敗1分けで走り、約5カ月ぶりに首位浮上。そのまま一気にゴールテープを切った。

 打線は井端が故障で長期離脱し、荒木との二遊間コンバートは失敗。新外国人のセサルは期待はずれ。得失点差+19はセ・リーグの優勝チームでは78年ヤクルトの+15に次いで2番目に少ない。巨人、阪神に攻撃力で劣りながらも長期的視野で投手陣の柱を育ててきた中日が、最後の最後で笑った。


昇竜 守り通してV

 10月1日、阪神が広島に敗れたため、中日の4年ぶり8度目のリーグ優勝が決まった。落合博満監督は2004年の就任以来、星野仙一氏を抜いて球団史上最多の3度目の栄冠となった。

落合監督「練習量の差」
 ナゴヤドーム内に設営されたビールかけ用の特設会場。「この日のために、1年間禁酒してきた。今日は全身で酒を浴びよう」。そう話した落合監督に続き、選手会長・森野の絶叫が響き渡る。「かけ声はいつも通り・・・

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