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文化・芸能
朝日新聞社

人は、いかに「猫」になるのか 劇団四季「キャッツ」の舞台裏

WEB新書発売:2010年11月26日
朝日新聞

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 首都高の直下、ビルの谷間で異彩を放つ黄色い目。黒猫の目を天井に頂いた「キヤノン・キャッツ・シアター」が、横浜・みなとみらいに現れてから、2010年11月11日で1周年となった。シアターは、横浜・あざみ野に本拠を置く巨大劇団「四季」の看板作品キャッツのためだけにつくられた。鍛錬を積んだダンスと歌で作り上げられたミュージカル。人はいかに「猫」になるのか。舞台裏をのぞいた。


「らしさ」常に求めて/「神がかった」魅力、全身で表現

 キャッツに登場する白黒の魔術師猫・ミストフェリーズ。ソロダンスの見せ場が多く、運動量は出演する24匹の中でも屈指だ。
 犯罪猫にさらわれた長老猫を魔術で助けるこのミステリアスな猫を1983年の東京・新宿の舞台で見て「かっこいい、僕、この猫やりたい!」と叫んだ少年がいた。川崎市出身の松島勇気さん。21年後に夢をかなえた。

 土砂降りの木曜日、手作りの弁当を目いっぱい食べた松島さんは、午前10時半から舞台裏のけいこ場でほかの俳優と準備に臨んだ。タップダンス、バレエ、呼吸、発声。たっぷり1時間とった後は、前日の課題などを話し合う。一つの猫に2〜4人の俳優が充てられ、配役も頻繁に替わるためミーティングは必須だ。
 正午すぎに楽屋入り。おしろいを塗り、筆で顔に模様を描く。最初に役のイラストを渡されて、それを基に自分でメークを練習した。化粧を終え衣装のレオタード、ワイヤレスマイク、かつらをつけ「猫」の誕生だ。

 数千回、数万回のけいこをした。6年前に役についてからは、飼っていた猫の鳴き声で何を考えているか想像したり、しなやかに体をたわませたりする動きを表現できないかも研究した。・・・

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