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教育・子育て
朝日新聞社

「ご飯とみそ汁だけ」の給食  〜各地の食育〜

初出:2011年2月14日〜2月17日
WEB新書発売:2011年3月4日
朝日新聞

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◇地元の食材、見つめ直す
◇献立、みんなで考えよう
◇お米、炊きたてを温かく
◇安全も味も、シェフ奮闘
◇国産食材で給食、生きた教材に


地元の食材、見つめ直す

 どんぶり一杯のサツマイモの炊き込みご飯。大根や豆腐入りのみそ汁と、牛乳。

 「先生、今日は少ないね」
 兵庫県宍粟(しそう)市立山崎小学校でその日配られた給食を見て、1年生の女子児童(6)が少し寂しそうに言う。
 仲嶋充利教頭が苦笑いし、その子の頭を優しくなでた。「でもね、これが山崎(地区)のご飯なんだよ。おじいちゃんやおばあちゃんがずっと食べてきた食事なんだ」
 宍粟市では毎月19日の「食育の日」に、地場産の米や野菜だけで作る「ご飯とみそ汁だけ」の学校給食を出す。山あいにあって肉も魚もあまりとれない。かつてはこんな食事が当たり前だったことを学んでもらおうという試みだ。ご飯とみそ汁しかない代わりに、量をいつもの1・2倍にしてカロリーを確保する。
 前田正明・市給食センター所長は「飽食の時代にあえて品数の少ない給食を出し、子どもたちに『何でかな?』と考えてもらう。地場産品で作る給食で、地元の食文化をしっかり伝えたい」と語る。
 福井県では2010年度から、全県の中学3年生約8千人に年1回、ズワイガニのメス1匹を食べさせ始めた。越前ガニの特産県なのに食べ方を知らない子が増えているからだ。
 越前市の武生第二中学校でも約180匹のカニが配られた。県職員や地元漁協女性部員の指示に従い甲羅を外し、身を取り出す。「なんかキモイ(気持ち悪い)〜」と悲鳴があがる。カニみそや卵に触りたがらない生徒もいる。

 清水俊之校長は「今は地元でも脚だけのカニがスーパーで買えます。越前っ子なのに、カニの食べ方を知らないのは恥ずかしい」。年450万円をかけ、5年間続ける・・・

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