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政治・国際
朝日新聞社

金満社交場、入会金250万円  中国、拡大する貧富の差

初出:2011年3月2日
WEB新書発売:2011年3月18日
朝日新聞

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 中国の経済規模は10年までの10年で約4倍に急成長し、日本を抜いて世界第2位の経済大国になった。その陰で、貧富の差が拡大している。都市住民の年収は農村住民の3・2倍。1%の家庭で4割余りの富を抱えるという調査結果もある。

◇金満社交場、湖にズラリ/成長中国、貧富の差が拡大
◇入会金250万円、連夜の宴
◇石炭掘りすぎ、家が沈んだ
◇「富の再配分」が急務


入会金250万円、連夜の宴

 湖面に宴席の明かりが揺れていた。
 中国屈指の名勝、浙江省杭州の西湖。2011年2月下旬のある夜、そのほとりに並ぶ洋館をのぞくと、そこは社交の場だった。シャンデリアがかかる個室の円卓には、アワビ、ツバメの巣などが並ぶ。

 「西湖は、金持ちの天国になった。この辺りは、庶民は恐れ多くて近寄れない」
 社交場が並ぶ一帯を案内してくれた地元のタクシー運転手(47)は、自嘲気味に笑った。杭州の中心にありながら喧噪(けんそう)を感じさせない西湖は、庶民が竜井と呼ばれる緑茶を飲みながら、おしゃべりをして過ごす場所だった。それが今は、歴史ある建造物が地元企業や有力者の手に渡り、「会所」と呼ばれる社交場に次々に姿を変えている。
 建設会社の会所「菩提精舎」の李軍総経理は「西湖のほとりに50カ所以上はある」という。一般客に開放しない所も多かったが、共産党機関紙・人民日報などが昨年、「金持ちクラブ」などと批判的な記事を掲載。今は市政府の指導で、対外的にも開放していることになっている。

 別の会所「花園餐庁1917」へ行ってみた。すると店員は「最低、アワビは注文してもらいます」。最高級品は日本産。宴会では1人1千元(1元=約12・5円)はくだらない。省の定める1カ月の最低賃金にあたる額だ。メニューにある数十元の料理を注文できないかと尋ねたら、「お互い不愉快になるだけだから・・・

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