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朝日新聞社

ゴパン生んだ三洋の企画力、残せるか? パナソニック「再統合」の行方

初出:2011年3月3日〜3月5日
WEB新書発売:2011年3月18日
朝日新聞

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◇三洋の企画力、残せるか
◇世界市場へ3社一体/電気設備、一括販売狙う
◇相乗効果へ高い垣根


三洋の企画力、残せるか

 「もし一度に10斤焼けるなら、ぜひ店にほしい」。2010年8月、東京・霞が関の農林水産省で開かれた試食会。発売前だった三洋電機のホームベーカリー「GOPAN(ゴパン)」の米パンを手に、「和の鉄人」として知られる料理人道場六三郎さんは絶賛した。米220グラムでパン1斤が焼け、昨秋に売り出す前から想定の2倍以上の注文が殺到。福島県湯川村のように、米の消費拡大へ向けて購入補助を出す自治体まで現れた。
 着想から7年。硬い米を効率よく砕くのが難しく、開発は難航した。「炊飯器の神様」と呼ばれる技術者が米を水につけてふやかし、ペースト状にするアイデアをひねり出して完成へ一気に進んだ。
 「SANYO」ブランドはユニークな開発力でしばしば、ヒット商品を世に送り出してきた。だが、そのブランドはパナソニックへの統合で2012年4月に原則廃止になる。「最後に意地を見せられた」。三洋の社内は感慨深げな雰囲気だ。

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 縁の下の三洋――。充電池やデジカメのOEM(相手先ブランドでの生産)で世界有数のため、業界ではこう言われる。それは弱いブランド力の裏返しでもあった。家電量販店の売り場担当者も「パナソニック(旧松下電器産業)製品は、関西の松下信仰もあって売れるが、『SANYOだから』で売れることはない」と言い切る。
 ブランド力の弱さに追い打ちをかけるように経営も迷走した・・・

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