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朝日新聞社

「あなたの首など、いりません」  大相撲、八百長で大量処分

初出:2011年4月3日〜4月8日
WEB新書発売:2011年4月15日
朝日新聞

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◇追い込まれて大量処分
◇クロの心証、積み上げた
◇「上」は絶対、形だけの反発
◇処分、なぜ自分たちだけ
◇支度部屋、なれあいの場に


追い込まれて大量処分

 「ちょっと話がある」。2011年3月31日夕、東京・国技館。放駒理事長が、北の湖親方を理事長室に招いた。
 北の湖親方はこの日、八百長問題の特別調査委員会の事情聴取を受けていた。八百長関与を認定された弟子の十両清瀬海の監督責任を問われてのことだった。調査委の方針は、処分対象力士の親方は降格。北の湖、九重、陸奥の各親方には理事の辞任を求めた。

 弟子が関与を自ら認めるなどした九重、陸奥両親方は受け入れの意思を示した。が、北の湖親方は抵抗した。清瀬海自身は関与を否定している。自分が理事辞任を受け入れると弟子の非を認めることになる。それでは「親」の責任を果たせない。そう考え、突っ張った。翌日の理事会で力士らの処分に反対する動きもあった。自分もそれに賛同しようと考えていた。理事長が声をかけたのは、その直後だった。

「首などいらぬ」
 放駒理事長は、力士らに処分を下した後、自分が引責辞任する環境を整えるため、師匠の処分を大幅な減給にとどめられないか、模索していた。理事が3人も抜けると協会の理事数は規約上の定足数の下限、9人になる。自分が辞めると臨時の理事選挙になり、混乱に拍車をかける。そんな事態には絶対にできない。
 だが、この思いはすげなく断たれた。3月末、処分内容を詰めるため調査委、文科省の担当者と都内でひそかに開いた会合。引責辞任を示唆すると、あっさり「あなたの首なんて、いりません」。調査委の提案通り処分するしか道がなくなった。「俺の首も安いもんだよ」。国技館に戻った理事長は苦笑いした。

少数承知で反対
 理事長からこうした経緯を聞かされた北の湖親方は文科省の圧力を察した。理事長経験者の自分が自身への処分を蹴ると、・・・

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