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政治・国際
朝日新聞社

救援順調、原発対応は双方不満  トモダチ作戦と日米同盟

初出:2011年4月7日
WEB新書発売:2011年4月22日
朝日新聞

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◇「トモダチ」真価問う 震災下の日米同盟
◇救援 異例の米軍大規模展開 米の世論も後押し
◇原発 「未知の体験」 対応に双方不満も 意思疎通 課題残す
◇普天間 余裕なくなった日本政府 米側、進展に悲観論
◇有事並み 作戦調整一体 横田に米統合部隊・自衛隊幹部も常駐
◇迅速な支援「関係より強固に」 グレッグソン前米国防次官補


「トモダチ」真価問う/震災下の日米同盟

 東日本大震災の災害救援で、自衛隊と米軍は過去に例のない規模で「共同作戦」を展開している。地震、津波に放射能汚染が加わる状況は、日米同盟にとって未知の領域で当初、行き違いもあった。日米両政府は今回の成果を同盟の「深化」につなげたい考えだが、普天間移設など懸案の「同盟管理」の問題は不透明さが増している。


【救援】 異例の米軍大規模展開 米の世論も後押し

 「陸海空、海兵隊が異例の規模で尽力頂いている。絆の証しだ」。4日、三陸沖の米空母ロナルド・レーガンを訪れた北沢俊美防衛相は乗組員らを前に菅直人首相のメッセージを代読。ルース駐日米大使も「いかなる時、場所でも、日本の力になる」と応じた。
 オバマ大統領が震災直後の記者会見で「必要な支援は何でもする」と発言したのを受け、「トモダチ作戦」と名付けた米軍の支援態勢が直ちに動き出した。ゲーツ国防長官は3月31日の上院軍事委員会で「アフガニスタン、イラクについては知られているが、日本の救援活動にも艦艇19隻と1万8千人の兵士があたっている」と説明。航空機も約140機を集結させた。
 菅首相とオバマ大統領はすでに3回電話で会談。在日米軍司令部のある横田基地、防衛省、仙台の陸上自衛隊の3カ所を拠点として、かつてない日米連携を進めてきた。仙台空港には米軍が自衛隊と共同で輸送拠点を築いた。

 大規模な支援の背景には、米世論の強い関心もある。民間調査機関ピュー・リサーチ・センターが3月下旬に行った調査では、最も関心のあるニュースとして「日本の震災」をあげた人は57%。「リビア情勢」の15%を大きく上回った。
 原子力発電を推進するオバマ政権にとって日本の原発事故はひとごとではない。米政府は原子力規制委員会(NRC)やエネルギー省が専門家や物資、海兵隊が放射能対策の専門部隊を送り込むなど、この分野でも手厚い支援を行う。


【原発】 「未知の体験」/対応に双方不満も 意思疎通 課題残す

 地震と津波の被害に対する救援活動は、自衛隊と米軍との間で協力が順調に進んだ。しかし、原発事故は両国にとって「未知の体験」だったこともあり、調整に手間取って双方に不満が募る場面もあった。
 米側関係者によると、地震から6日目の3月16日、原子炉建屋の爆発が相次ぐなど事態の悪化が止まらないことを受け、ホワイトハウスはひそかに方針を転換した。日本側からの支援要請を待つ姿勢から「対策を強く推すことにした」という。「日本政府の対応を信頼しなくなったためだ」
 それ以降、米国政府は日本在住の米国市民に対し、原発の半径50マイル(約80キロ)以内からの退避勧告を出したり・・・

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