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経済・雇用
朝日新聞社

「頭取に応援メールを」  迷走みずほ銀行

初出:2011年5月10日〜5月11日
WEB新書発売:2011年5月20日
朝日新聞

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◇みずほ銀、対策不備1カ月/システム障害/虚偽説明を指示か
◇寄せ木、システムも組織も/統合9年、繰り返した障害
◇信頼へ、まず内向き脱却/障害時「頭取に応援メールを」


みずほ銀、対策不備1カ月/システム障害/虚偽説明を指示か

 2011年3月にシステム障害を起こしたみずほ銀行が、障害発生から1カ月近くも再発防止策を全店に徹底していなかったことがわかった。一方、顧客には「対策を徹底している」と、実態と違う説明をするよう全店に指示していた。
 障害は3月15日に起きた。116万件(計約8300億円)を超える現金振り込みが滞り、3連休に全国の現金自動出入機(ATM)が止まった。原因は14日に大震災の義援金が支店の口座に集中したためだ。義援金用の口座を作って大量振り込みに備えなければいけないのに、これをせず、システムがダウンした。
 幹部によると、本部が、大量振り込みを受け付けるルールを行内ネットを通じて全店に徹底したのは4月11日。「大量振り込みが見込まれる場合は事前に協議書を作り、本部に相談する」との「通達」を出し、協議書の書式をつけた。
 その前に行内ネットに「義援金を受ける時は特別な口座を作る」という「速報」を流したが、速報は約1週間で消える。大手銀行では一般的にルールの新設や変更は通達で徹底する。行内が混乱し「速報しか手が回らなかったのだろう」(みずほ銀関係者)という。ただ、大量振り込みは義援金だけとは限らず、再び障害を起こす恐れもあった。
 一方、本部は4月4日に「対顧客説明骨子」を行内ネットで流し、取引先企業などから「大量振り込みへの対応は十分か」と聞かれた場合、「運営・ルールは全店に徹底している」と答えるよう全店に指示した。同日、金融庁が検査に入っており、ある支店長は「きちんと対応していると示すためだろう。虚偽説明の指導と受け止めた」という。
 みずほ銀広報室は朝日新聞の取材に対し、「(行内に設けた)第三者委員会の調査結果が出るまでコメントできない」としている。


寄せ木、システムも組織も/統合9年、繰り返した障害

 金融庁「システムに関する総合的な危機対応計画がない。今の計画も意味をなしていない」
 みずほ銀行「対象範囲、リスクなどを入念に想定し、個々の対応を深く掘り下げ、計画を策定する」
 みずほ銀は2002年、前身の富士、第一勧業、日本興業の旧3行のシステムを統合した際もシステム障害を起こした。その際に金融庁の指摘を踏まえてまとめた約100ページの報告書には、今のみずほ銀にあてはまるような課題が並ぶ。
 なぜ、教訓は生かされなかったのか。

◎義援金集中に無策
 障害は3月14日、東日本大震災の義援金の振り込みが特定口座に集中し、システムがダウンしたことがきっかけだった。

 「今回の障害は念頭には無かった」。記者会見した西堀利(さとる)頭取は義援金の集中が「想定外」と言わんばかりだった・・・

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