【お知らせ】WEB新書は閉店しました。

社会・メディア
朝日新聞社

「浜岡」の危険は津波よりも揺れ  原発の止まる日

初出:2011年5月14日〜5月16日
WEB新書発売:2011年5月27日
朝日新聞

このエントリーをはてなブックマークに追加

◇「揺れ」が危険の本質/激震対策、立地で限界
◇共存共栄40年、変化の兆し
◇脱原発の議論、まだ入り口


「揺れ」が危険の本質/激震対策、立地で限界

 2011年5月13日午前10時1分、名古屋市の中部電力本店ビルにある中央給電指令所。壁面を埋める電光表示板の中で、浜岡原子力発電所4号機(静岡県御前崎市)の出力の表示が「0」になった。
 指令所にいた社員数人は、じっと椅子に座って手元の画面を見守り続けた。ガラス越しにその様子を撮影しようとする報道陣のシャッター音だけが響く。
 菅直人首相の運転停止要請から1週間。政治判断で初めて原発の発電が止まった瞬間だった。
    ◇
 「浜岡原発は地元の信頼を得て続いてきた。津波対策を着実に実行、住民にきちんと説明することが最優先」――。中部電が稼働中の4、5号機を含む全炉の運転停止を決めた9日、水野明久社長は、会見で強調した。

 対策の柱は、原子炉建屋を津波から守るために設ける高さ15メートル以上の防潮堤。「これまでの安全対策は法令や技術基準に照らして適切と確認されている。(防潮堤は)一層ご安心いただくためのものという位置づけ」(水野社長)だ。2〜3年後の完成を目指す。
 東京電力福島第一原発の事故は、想定を超える高さの「津波」によって非常用電源が使えなくなり、原子炉の温度が上がって水素爆発を引き起こしたと考えられている。
 コンクリート製の原子炉建屋が吹き飛び、白煙が立ち上る衝撃的な光景が、菅首相の運転停止要請につながった。防潮堤ができれば、こうした事態は避けられるという理屈だ。
 だが、浜岡原発の危険性の本質は、「津波」ではない。巨大地震による激しい「揺れ」だ・・・

このページのトップに戻る