〈争論〉シネコンは映画を滅ぼすか
シネコンの普及が映画界を劇的に変えている。古くて汚いイメージは今は昔。快適な座席で前の人の座高も気にならない。手軽に映画を楽しめるようになり、観客が戻ってきた。一方で、アート映画離れが進んでいるというミニシアターの悲鳴も聞こえてくる。
◇市場が広がり邦画を強くする
映画ジャーナリスト 斉藤守彦さん
◇ブロイラーのような作品生む
映画評論家 寺脇研さん
映画ジャーナリスト 斉藤守彦さん
ここ数年で、東京のミニシアターが相次いで閉館しました。映画文化の衰退だと言われていますが、営業努力の足りないところが閉館しただけのことです。営利事業ですから、観客が来なくなったら仕方がない。「赤字になっても営業しろ」とは言えません。
映画興行は、作品によって当たり外れが極端に大きい。いわばギャンブルです。シネコンは10本程度の異なる作品を同時期に上映することで、リスクを回避しようとの発想から生まれました。これだけたくさん上映するんだから、一つは当たるだろう・・・