東日本大震災を引き起こしたマグニチュード(M)9の巨大地震は、地震学の常識を覆した。地殻変動や余震は今なお続いている。広い範囲を襲った破壊的な津波により、これまでの防災対策は見直しを迫られている。
◇常識覆したM9
―エネルギー蓄積、数百年/20メートル越す津波跡290キロ
◇防災対応を転換 設備よりソフト重視へ
■エネルギー蓄積、数百年/20メートル越す津波跡290キロ
東北沖の地震はよくわかっていると思っていたが、わかっていなかった――。
2011年3月11日以降、多くの地震学者がそう話す。政府の地震調査委員会が、30年以内に99%の確率で発生すると予測していた宮城県沖の地震はM7・5程度。しかし、起きたのは180倍もの規模のM9だった。
地震が起きた海域は、想定の宮城県沖にとどまらず、岩手沖から茨城沖まで長さ約500キロ、幅約200キロに及び、海側と陸側のプレート(岩板)の境界面が大きく動いた。
地震学者たちは、M7級の地震を繰り返してきた宮城県沖の狭い範囲に注目、ここでは大地震が起きやすいが、さらに東の日本海溝付近は発生しにくい場所だと考えていた。
地震予知連絡会の島崎邦彦会長は震災後、「誤りだった」と話した。今回の地震では、日本海溝付近が大きく動き、プレート境界面が最大50メートル以上ずれた。大地震が起きにくい場ではなく、何百年も大地震のエネルギーを蓄えていた場所だったと考えられる。
海溝付近では海底が大きく隆起して海水をもちあげ、破壊力のある高い津波になった。陸地よりの海底では、広い範囲の隆起により、平野の奥まで浸水させる津波が発生した。「2種類の津波が同時に起きた形になり、被害を大きくした」と、東京大地震研究所の佐竹健治教授は分析する。
全国の研究者は協力して、津波の痕跡を調べた。調査によると・・・
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東日本大震災を引き起こしたマグニチュード9の巨大地震は、地震学の常識を覆した。地殻変動や余震は今なお続いている。東北沖の地震はよくわかっていると思っていたが、わかっていなかった――。[掲載]朝日新聞(2011年9月6日、3200字)
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