科学・環境
朝日新聞社

福島第一とチェルノブイリのセシウム汚染比較

初出:朝日新聞2011年9月11日
WEB新書発売:2013年3月15日
朝日新聞

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 福島第一原発を3月11日午後、地震と津波が襲った。国や東京電力の資料から原発事故がどう進んだか、イメージを再現した。
 運転中だった1〜3号機の原子炉は地震で自動停止したが、送電線などが揺れで壊れて外部からの電源を失った。さらに津波で非常用ディーゼル発電機や関連機器が水没し、非常用電源もすべて失った。
 核燃料が出す熱を冷やせず、1〜3号機では燃料が溶けて原子炉圧力容器の底にたまる炉心溶融(メルトダウン)を起こした。原子炉内で発生した水素ガスが原因で、1〜4号機の原子炉建屋が爆発する事態につながった。

◇福島第一原発・事故はどう進んだか
◇福島第一とチェルノブイリ


事故はどう進んだか


◆東日本大震災発生
《3月11日14時46分 外部電源を失う》
 非常用ディーゼル発電機がいったん起動

 受電設備(開閉所)が地震で損傷→1・2号機の外部電源が喪失

 地震で送電線が鉄塔に接触し漏電(地絡)→4号機の外部電源が喪失

 3号機は1・2・4号機からの受電を想定。1・2・4号機が電源喪失したため電源喪失→3号機の外部電源が喪失

◆津波襲来
《3月11日15時30分ごろ 全交流電源を失う》
 原子炉や核燃料プールの冷却や、原発をコントロールする中央制御室の計器類や照明に使う電気がなくなる

〈2号機〉非常用ディーゼル発電機や、関連機器が水没

〈2号機〉非常用ディーゼル発電機や、関連機器が水没

〈1〜3号機〉 電源がなくても冷却できる装置や、原子炉への淡水・海水注入で冷却を試みるが失敗。核燃料が溶け落ちる「メルトダウン」が起きる。核燃料が冷却水から露出した際、化学反応で可燃性の水素ガスが発生

〈4号機〉非常用ディーゼル発電機や、関連機器が水没

〈4号機〉非常用ディーゼル発電機や、関連機器が水没。点検中で起動できない状態だった

2・4号機の非常用ディーゼル発電機は無事だったが、配電盤が水没

〈5号機〉非常用ディーゼル発電機は無事だったが、関連施設が水没

〈6号機〉非常用ディーゼル発電機や、関連機器が1〜6号機の中で唯一稼働。5・6号機に電気供給

〈6号機〉非常用ディーゼル発電機は無事だったが、関連機器が水没

◆土砂崩れ
 夜の森線の鉄塔が地震で倒れる→5・6号機の外部電源が喪失

◆原子炉建屋が水素爆発
 原子炉格納容器の圧力が高まる。圧力を逃がすベント(排気)を行うが、格納容器が高温高圧に耐えられず、水素ガスが原子炉建屋に漏れ出す。4号機では、3号機から出た水素ガスが配管を通じて原子炉建屋に流れ込む。水素が酸素と混じり合い、爆発につながる

〈1号機〉3月12日15:36
 原子炉建屋で水素爆発

〈2号機〉3月15日06:00ごろ
 格納容器の圧力抑制室付近で爆発音(水素爆発)

〈3号機〉3月14日11:01
 原子炉建屋で水素爆発

〈4号機〉3月15日06:00ごろ
 原子炉建屋で爆発(水素爆発したと推定される)

《3月15日》
 9時―第一原発正門の線量が最高値の毎時11・93ミリシーベルトに。福島第二も急上昇する

12時―川内村の線量がピーク値まで急上昇するが、1時間後は4分の1に下がる

15時―西へ流れ出し、浜通りを中心に雨が降り始める。郡山市などで線量が上昇

18時―北西に流れ、県北部はほぼ雨となる。線量が福島市や飯舘村でピーク値に

21時―県内全域でほぼ雨に。北西は雨でより地表に沈着が進んだ

《3月16日》
 9時―放射性雲は早朝から海側へ流れ出す。原発からの放出も少なくなる
    ◇
 文部科学省は8日、山形、茨城両県を含む5県で航空機を使って測定した放射性セシウムの蓄積量を算出した。茨城県では、福島県境の北部で蓄積が比較的高い場所があったほか、南部では「飛び地」のように高くなっている地点が確認された。山形県で高い量の地点は確認されなかった。
 茨城県が公表している県内各地の放射線量の数値を見ると、北部の沿岸と霞ケ浦の南部周辺に毎時0・1マイクロシーベルトを超える地点が集中。福島第一原発から約190キロ離れ、千葉県境にある取手市が最も高かった。
 日本原子力学会の解析では・・・

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福島第一とチェルノブイリのセシウム汚染比較
216円(税込)

世界の原子力事故史上で最悪の「レベル7」。大気や土壌に放射能をまき散らした東京電力の福島第一原発事故は、1986年の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故と比べてどうなのか。国や東京電力の資料から原発事故がどう進んだか、ビジュアルでイメージを再現。放射性物質の汚染範囲を同じ縮尺で比較してみた。[掲載]朝日新聞(2011年9月11日、4300字)

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