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経済・雇用
朝日新聞社

超円高サバイバル 企業はこう生き延びろ トップ5人の秘策

初出:2011年10月5日〜10月12日
WEB新書発売:2011年10月31日
朝日新聞

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 「超円高」が日本の産業界を揺さぶっている。大量にモノを作り、輸出して稼ぐという産業構造は、円高による採算悪化で徐々に崩れ、海外生産の拡大は国内生産・雇用の減少につながりかねない。この試練をどう乗り切るのか、企業トップに聞いた。

◇ホンダ社長 伊東孝紳氏
 ――日本はもはや輸出拠点ではない
◇曙ブレーキ工業社長 信元久隆氏
 ――部品の設計見直し必要
◇ダイエー社長 桑原道夫氏
 ――消費意欲の減退を懸念
◇アイリスオーヤマ社長 大山健太郎氏
 ――被災地復興、百年の計で
◇経済同友会代表幹事 長谷川閑史氏
 ――新興国の成長を生かせ


日本はもはや輸出拠点ではない/ホンダ社長 伊東孝紳氏(58)


 ――円高で為替差損が膨らむ状況のなか、車の輸出は続けられますか。

 「今の為替水準は論外だ。米国の担当者が『日本から車を送ってもらうだけ赤字になる』と言うほどだ。もともと(ホンダは)海外工場を増やし、現地生産・現地販売を進めてきた。しかし、これだけの円高で体をむち打たれ、もはや日本は製造・輸出拠点としては世界の中心ではないことがはっきりしてきた」

 ――現地生産・現地販売をどんどん進めれば、輸出は減るのではないですか。

 「今は国内生産の3〜4割を輸出しているが、為替に一喜一憂しながら輸出するのは難しい。輸出は続けるが、国内生産の1〜2割までだ。日本は北米、中国、アジア、南米、欧州と並ぶ世界の6極(地域)の一つ。10年ほどかけて、各地域で生産と販売がほぼ同じになるようにして、海外で足りない製品を補完的に輸出する体制に徐々に切り替えていく」

 ――輸出を減らして、国内生産の規模を維持できるのですか。

 「国内で100万台生産する今の体制は維持する。輸出を減らす分、国内販売を増やしたい。カギは(安価な)軽自動車だ。(品ぞろえを強化し)販売を今の倍以上に増やす。国内は軽自動車でというくらいの気持ちでやらないと、日本では生きていけない」

 ――経営方針の大きな転換ですね。

 「材料を輸入して製品を出して我々は生きている、というこれまでの考えを変える、まさに大転換期だ・・・

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