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政治・国際
朝日新聞社

中国軍解剖〔2〕 「血で固められた同盟」のゆくえ

初出:2012年1月22日〜1月26日
WEB新書発売:2012年2月10日
朝日新聞

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 中国は北朝鮮や南シナ海など周辺の不安定要素への警戒を強めている。中国軍がどう臨もうとしているのか読み解く。1月22日から26日にかけて朝日新聞総合面で集中連載されたシリーズ「中国軍解剖 第2部」から。

◇第1章 平壌の動き、見逃すな
◇第2章 刺激避けよ、軍静観
◇第3章 米軍を近づけるな
◇第4章 南シナ海を聖域化せよ
◇第5章 南シナ海に「歴史的権利」


第1章 平壌の動き、見逃すな

 北京市中心部にある中国軍の巨大ビル「八一大楼」。2011年末、「中国のペンタゴン(米国防総省)」と呼ばれるこのビルの敷地に、軍ナンバーの車が続々と入っていった。

◎胡主席がげき
 中国軍関係者によると、開かれていたのは軍の最高機関、中央軍事委員会の拡大会議。北朝鮮との国境地帯を管轄する瀋陽など各軍区の幹部らを前に、軍事委主席でもある胡錦濤(フーチンタオ)国家主席がげきを飛ばした。
 「我が国周辺の安全保障の環境は複雑で、かつ急変している。軍事闘争の準備をいっそう進めなければならない」。北朝鮮情勢の流動化などを念頭に、偶発的な軍事衝突への備えを怠らないよう指示したのだ。
 拡大会議は原則非公開。軍の重要な人事を決めたり、国際情勢に変化があったりしたときのみ開かれる。この日は、北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記の死去にともなう朝鮮半島情勢が中心テーマの一つだったという。
 中国は金総書記の三男、正恩(ジョンウン)氏への権力移行の段階で、体制が不安定になることを恐れ、金総書記の動静に神経をとがらせてきた。
 2008年夏に脳卒中を患った金総書記は10〜11年に4度訪中するなど、健康を回復したとみられていた。だが、中朝関係筋によると、中国側は数カ月前に再び体調が悪くなったことをつかんでいた・・・

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