教育・子育て
朝日新聞社

ユーザー視点の橋下教育改革 「学校は組織、ルールに従え」

2012年04月27日
(7200文字)
朝日新聞

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 教育目標は首長が決める――そんな条例づくりを主導した橋下徹・大阪市長が矢継ぎ早の教育改革を打ち出し、注目を集めている。その全体像を読み解くキーワードは「ユーザー視点」。これからの教育のあり方を決めるのは、実際に学校に行く子どもや保護者、すなわちユーザーという考え方だ。橋下流教育改革の姿に迫る。

◇選択 選ばれない学校は退場
◇責任 目指すは競争を生きる力
◇マネジメント 学校は組織、ルールに従え


選択 選ばれない学校は退場


 教育目標は首長が決める――そんな条例づくりを主導した橋下徹・大阪市長(42)が矢継ぎ早の教育改革を打ち出し、注目を集めている。
 その全体像を読み解くキーワードは「ユーザー視点」。これからの教育のあり方を決めるのは、行政でも、専門家でも、有識者でもなく、実際に学校に行く子どもや保護者、すなわちユーザーという考え方だ。
 既成政党への不信感も相まって、急速に存在感を高める橋下氏。なかでも教育は最も力を注ぐ分野のひとつで、次期衆院選をにらみ「大阪の試みを日本のスタンダードに」と意気込む。だが繰り出される言葉は断片的で、何をめざしているのか分かりにくい面もある。
 ユーザー視点の教育とはどんなものか。橋下氏が「僕の哲学」という「選択」「責任」「マネジメント」という三つの言葉を手がかりに、橋下流教育改革の姿に迫る。


◎大阪の学校、どう変えようとしとるんじゃ?

(ホー先生) 橋下さんは「教育にユーザー視点を入れるべきだ」と言っておるそうじゃな。ユーザー視点って何じゃ?
(A) ユーザーというのは消費者のことだよ。教育をサービスととらえ、サービスを受ける消費者、つまり子どもや保護者がどれだけ満足しているかをもっと考えるべきだ、と主張しているんだ。
(ホー先生) はて、これまではそうじゃなかったのかの?
(A) そうなんだ。学校や教育のあり方を決めてきたのは、「教育委員会」という組織。どんな教育をするかはどんな社会をつくるかに直結するので、個々のユーザーの意向を優先するのではなく、全体の利益を考えて教育の方法や目標を話し合いで決めてきたんだよ。橋下さんは、このやり方を根本から変えようとしているんだ。

◎人気次第で再編対象、私立も公立も競争だよ
(ホー先生) 具体的にはどう変えようとしとるんじゃ?
(A) まずは高校の学区撤廃と小中学校の学校選択制だね。学校をユーザーに選ばれる立場に置くことで、競わせてよくしようと考えているんだよ。
(ホー先生) どちらも全国のあちこちでやっていると聞いたぞ。どこが新しいんじゃ?
(A) 確かに高校の学区撤廃は21都県で実施済みだし、学校選択制も1割以上の自治体が導入している。でも大阪の場合、私立も巻き込んで競争を促し、選ばれることを学校存続の条件にしている。どこよりも競争を徹底しているんだ。
(ホー先生) はて、どういうことかの?
(A) 大阪では多額の税金を投入して、私立も公立も高校の授業料がほとんどゼロになるようにしている。公私横一線の競争が始まっているんだ。さらに、入学希望者が少なく、3年連続で定員割れした府立高は再編整備の対象にされる。私立に生徒を取られて定員割れした府立は戦々恐々としているよ。
 小中学校の学校選択制でも、選ばれない学校の退場を見据えている。少子化が進む中、いずれ統廃合しなきゃいけないからね。これまでは教育委員会がどの学校をなくすかを判断してきたけど、これからはユーザーに決めてもらおうというんだ。
(ホー先生) 人気のある学校が残り、人気のない学校はなくしていくというんじゃな。分かりやすいのう。
(A) でも全国では学校選択制を見直す動きもあるんだ。学校の努力と関係なく、人気・不人気が固定化したり、地域と学校のつながりが薄れたり。選ぶ側は自分のことだけを考えて動くから、社会全体の利益と一致しないことも多いんだね。
(ホー先生) 難しいのう。
(A) 選ぶには情報が必要だけど、情報をどこまで公開するかも難しい。橋下さんは、基本的には学力テストの学校別成績を公表するべきだと言うんだけど、学校、地域の序列化や差別につながると反対する人も多いんだ。


◎「選ばれる学校」橋下語録

■「選択」は僕の哲学
 「行政サービスがいいか悪いかなんてサービスを受ける側が判断するしかない。保護者、有権者の判断に原則委ねる。これは僕の哲学・・・

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ユーザー視点の橋下教育改革 「学校は組織、ルールに従え」
210円(税込)

教育目標は首長が決める――そんな条例づくりを主導した橋下徹・大阪市長が矢継ぎ早の教育改革を打ち出し、注目を集めている。その全体像を読み解くキーワードは「ユーザー視点」。これからの教育のあり方を決めるのは、実際に学校に行く子どもや保護者、すなわちユーザーという考え方だ。橋下流教育改革の姿に迫る。[掲載]朝日新聞(2012年4月18日〜20日、7200字)

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