社会・メディア
朝日新聞社

そして、犯人は、逃げ切った 未解決事件の謎が生む解明への情熱

2014年01月10日
(7100文字)
朝日新聞

このエントリーをはてなブックマークに追加

 いったい、誰が、何のために……。謎が多ければ多い事件ほど、人は真実を知りたくなってしまう。轢死遺体で見つかった国鉄総裁の最期を知る人、鮮やかに3億円を奪い去った偽警察官、そしてあまりにも有名になってしまった「キツネ目の男」。彼らはいま、どこでどう過ごしているのか。あるいは、そもそも本当に存在していたのか。「事実は小説より奇なり」を体現するかのような、そんな昭和の未解決事件を再び訪れて見えたものとは。(年齢、肩書は掲載時のものです)

◇〈昭和24年7月5日〉下山事件/国鉄総裁の死、黒い霧の残像
◇〈昭和43年12月10日〉3億円事件/白バイ男、いまだ正体不明
◇〈昭和59年3月18日〉グリコ・森永事件/「劇場犯罪」の風化を拒む


〈昭和24年7月5日〉下山事件/国鉄総裁の死、黒い霧の残像

 電車の刻むレール音が上から降ってくる。東京都足立区西綾瀬のJR常磐線高架沿いの道路から、レールは金網の柵と遮音壁に遮られ、近づくことも望むこともできない。
 1949(昭和24)年7月5日朝、東京・日本橋の三越本店に入ったあと、行方が分からなくなっていた国鉄の下山定則総裁(当時49)が翌6日未明、この場所で、バラバラになった轢死遺体(れきしいたい)でみつかった。当時は柵や壁がなく、周りは田んぼや湿地だった。



 この年、国鉄は運輸省から分離、公共企業体への移行に伴って9万5000人の解雇が計画され、大屋晋三運輸相や下山総裁らが事件直前の7月1日、国労に通告。国労中央執行委員だった斎藤喜作さん(89)は通告をおこなう大屋運輸相の隣で鉛筆を2本握りうつむく総裁の姿を鮮明に記憶する。「追い込まれ、深刻に考えている様子でした」
 不明になる前日の4日、国鉄は第1次3万700人の解雇を発表。斎藤さんは「撤回を求めるストを計画したが、衝撃的な総裁の死によって、世間の耳目は国労組合員に集まり、ストを決行する意志は打ち砕かれた」とふり返る。
 下山総裁の死は、他殺か、自殺か・・・

続きを読む

この記事の続きは、WEB新書でお読みいただけます。

そして、犯人は、逃げ切った 未解決事件の謎が生む解明への情熱
216円(税込)

いったい、誰が、何のために……。謎が多ければ多い事件ほど、人は真実を知りたくなってしまう。轢死遺体で見つかった国鉄総裁の最期を知る人、鮮やかに3億円を奪い去った偽警察官、そしてあまりにも有名になってしまった「キツネ目の男」。彼らはいま、どこでどう過ごしているのか。あるいは、そもそも本当に存在していたのか。「事実は小説より奇なり」を体現するかのような、そんな昭和の未解決事件を再び訪れて見えたものとは。(年齢、肩書は掲載時のものです)[掲載]朝日新聞(2009年5月30日、11月14日、2013年6月22日、7100字)

    ビューアで読む

    スマートフォン、iPadでも読めますこの商品のアドレスをメールで送る

    Facebookでのコメント

    ご利用上の注意

    • WEB新書は、インターネットにつないだパソコン、iPhoneなどのスマートフォンやiPadなどインターネットブラウザを搭載した情報端末からの閲覧に対応しています。携帯電話からの閲覧には対応していません。
    • WEB新書は、著作権保護のためパソコンのローカル環境への保存はできない仕様となっています。あらかじめご了承ください。
    • WEB新書の購読には指定の料金が必要です。料金は商品のご購読時に1回発生します。ご購読後は何度でも繰り返しご覧いただけます。商品の閲覧権は1年間保証されます。ただし、著作権者や出版社などの事情により、販売停止や閲覧停止になる場合があります。
    • WEB新書の料金のお支払いはクレジットカードでの決済となります。朝日新聞社が提供する課金・認証サービス「Jpass」への会員登録および、購読手続きが必要です。
    • WEB新書の購読に伴う取引は、「Jpass」を運営する朝日新聞社とお客様との間のお取引になります。
    • 購読手続きが完了した商品は、商品の記事を全文閲覧することができます。購読期間中は「マイWEB新書」に保存され、何度でも閲覧することができます。マイWEB新書へのアクセスおよび、商品の閲覧には「Jpass」へのログインが必要です。
    • WEB新書のサービスの内容や購入手続きに関して不明な点は、こちらの問い合わせ窓口よりお願いいたします。

    このページのトップに戻る