教育・子育て
朝日新聞社

平塚江南高校・青春スクロール 開拓精神の系譜、今もなお

2014年02月07日
(8400文字)
朝日新聞

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 神奈川県内2番目の県立高等女学校として開校し、共学化後は屈指の進学校となった平塚江南高校。開拓精神にあふれた女性を各界に送り出してきた当初からのその気概は、現在まで脈々と受け継がれている。ほとんどの卒業生が思い出として口にする印象的な体育祭に熱中し、詰め込みとは一味違う学力向上にも集中する。そんな文武両道が似合う校風を支えていたのは、生徒自らが発案した校訓「自主自律」の精神だった。

◇第1章 開拓精神豊かな女性/芸術に点数なし
◇第2章 進学校化目指し発破/校訓「自主自律」
◇第3章 恩師の言葉が指針/学校行事に全力
◇第4章 サッカー部誕生/悩んでも友がいた
◇第5章 音楽家も続々輩出/語り草の名物仮装
◇第6章 注目の科学者も/練習漬け 馬力養う
◇第7章 骨太の個性も育つ/若き日の夢実現
◇第8章 印象的な体育祭/恩師の教え、皆たたえ


第1章 開拓精神豊かな女性/芸術に点数なし

 平塚江南高校(以下、江南)は、県内2番目の県立高等女学校として1921(大正10)年に開校。開拓精神あふれる女性を各界に送り出した。
 1期生の沖津くら(故人、26年卒)は、帝国女子医学専門学校(現東邦大学)に進み、開業医の養父を継いだ。戦後初の県議会議員選挙(47年)では県内初の女性県議となった。開校当初は畑に校舎が立つだけ。沖津たちは背丈ほどある草をむしり、桜の木を持ち寄って植え、校庭を作ったという。


 万葉集研究で知られ、日本女子大学長を務めた青木生子(たかこ)(92、38年卒)は「生涯の師に出会った」と語る。戦後、貧困などで進学できない人のため、通信教育の先駆け「大学講座」を主宰した高瀬兼介。熱く理想を語る国語教師に魅了され、放課後はクラス全員が校庭で高瀬を囲み、「友情とは」「人生とは」と議論した。
 女性初の日本陶磁協会賞を受けた陶芸家辻協子(故人、48年卒)も、平塚高女で美術教師の影響を受けた。「芸術に点数はつけられない」と全員に「優秀」をつけた。その教師宅に通ううち夫となる陶芸家、辻清明と出会う。
 50(昭和25)年の共学化後も活躍は続く。
 「皿と紙ひこうき」などの作品がある童話作家石井睦美(56、75年卒)が忘れられないのが高1の現代国語。歌人でもあった担任は、授業の初めに短歌を書き取らせた。「寺山修司の歌などを黒板にさっと書き、その字がまた美しかった」。石井に言葉への感受性が芽生え、育ち、29歳で新美南吉児童文学賞などを射止める。
 フジテレビアナウンス室副部長の川野良子(43、89年卒)は、名物先生による厳しい生徒指導が印象に残る。「スカートの長さやソックスなど特に制服についてよく注意されました」。合唱部と応援団マネジャーを兼務。山北町の「江嶺荘」での学年合宿は楽しかった。はんごう炊き、雑魚寝など、夏の思い出がよみがえる。


 女子プロレスラー松本浩代(27、2004年卒)は柔道部で体を鍛えた。「合宿の食事の量がハンパなく多く、つらかった」。専門学校の実習先でプロレスに出あい、20歳でデビュー。東海道線にちなんだオレンジ色の衣装に、必殺技は「東海道落とし」。大きな大会には今も柔道部の仲間が駆けつける・・・

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平塚江南高校・青春スクロール 開拓精神の系譜、今もなお
216円(税込)

神奈川県内2番目の県立高等女学校として開校し、共学化後は屈指の進学校となった平塚江南高校。開拓精神にあふれた女性を各界に送り出してきた当初からのその気概は、現在まで脈々と受け継がれている。ほとんどの卒業生が思い出として口にする印象的な体育祭に熱中し、詰め込みとは一味違う学力向上にも集中する。そんな文武両道が似合う校風を支えていたのは、生徒自らが発案した校訓「自主自律」の精神だった。[掲載]朝日新聞(2013年11月1日〜12月20日、8400字)

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