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教育・子育て
朝日新聞社

「学歴差別」はなくならない 変わるべきはアナタか企業か学校か

初出:2014年3月30日〜4月11日
WEB新書発売:2014年4月25日
朝日新聞

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 学歴不問。そんな条件でもありつける仕事は数え切れないほどあるだろう。だが、よっぽど何かに秀でた能力を持っている人でもない限り、学歴へのこだわりは捨てられない。最終学歴は? 大学はどこ? 学部、学科は? 多くの人が学歴偏重社会をおかしいと思いながら、根本的な変化は拒んでいるようにも思える日本。それでも、変化の兆しは確実に見え始めている。学歴偏重社会を揺さぶる蠢きを、日本のみならず、アジア、欧米でも追った。

◇第1章 これって、学歴フィルター?
◇第2章 採用戦略、企業手探り
◇第3章 国際化遅れ、東大岐路
◇第4章 海外大、世界と出会える
◇第5章 エール大、渋谷スタバで面接
◇第6章 学ぶ意欲、見極める
◇第7章 世間体より「やりがい」
◇第8章 飛び入学、広がるか
◇第9章 公立中高一貫校、あり方模索
◇第10章 次世代、生き抜く力を育む
◇特別編 議論せよ、人とぶつかれ/浜田東大総長に聞く
◇反響編 現状を直視、課題と期待と


第1章 これって、学歴フィルター?

◎採用説明会…満席
 日本大学に通う女子学生(21)は2013年12月、いっしょに就職活動をしている友人と時報を聞いていた。午前11時00分00秒。志望企業が、採用説明会への参加申し込みをネットで受け付け始めた。名前や大学名は事前に登録済みだ。申し込みボタンを押そうとスマートフォンで採用ページを開いた瞬間、目を疑った。画面には、全日程が、「満席」「満席」「満席」……。
 就職人気ランキングで常に上位の大手企業。受け付け開始後数分で満席になるのはよくあることだ。それでも今回は、早すぎないか。同じ説明会に申し込むと言っていた上智大の友人に電話。友人の「えっ、満席になってないよ」の言葉に、はっとした。「これって、『学歴フィルター』ってやつじゃないの?」
 「学歴フィルター」は、説明会の参加などにあたって企業が大学によって差をつけることを指す。この企業の広報担当者は「うちの採用で大学名は全く関係ない。満席になったのはシステム上の問題では」と話すが、こうしたやり方は企業の間で広く行き渡っていると、関係者は指摘する。
 就職活動に詳しい人材コンサルタントの常見陽平さんによると、手法はこんな風だ。説明会の定員100人に対し、80人を東大などのトップ校、残り20人を他の大学生に割り振る。大学によって座席の「在庫数」は異なり、応募したくても席がないことがある。
 雇用ジャーナリストの海老原嗣生さんは「説明会応募の前にも、大学名によって説明会の案内をメールで知らせる時期に差をつけることや、そもそも案内しない場合がある」と話す。
 企業が大学名を選考の材料にすることは、いまに始まったことではない。イメージの低下を恐れて公にしてこなかっただけだ・・・

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