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スポーツ
朝日新聞社

甲子園にたどり着くまでに 「野球しかやってません、じゃダメ」

初出:2014年6月17日〜6月21日
WEB新書発売:2014年7月4日
朝日新聞

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 高校球児にとって憧れの地は「甲子園」。それは昔から変わっていない。でも、高校野球や球児たちを取り巻く環境は変わってきている。元プロ野球選手が指導するための条件が広がって監督やコーチが増え、レベルの高い技術指導への期待も高まった。同時に、既存の指導者たちも、選手の意識を高め、そして甲子園を目指し、なおかつ人間性を育てるための創意工夫を凝らす。例えば、野球部内の「風紀委員会」。一体、何をしているの……?

◇第1章 「元プロ」監督の模索
◇第2章 自立のため「考える力」
◇第3章 部員に役割、結束強化
◇第4章 甲子園へ、本気にさせる
◇第5章 卒業後の人生見据え


第1章 「元プロ」監督の模索

◎接し方次第、怖さ感じる 金沢学院東・金森栄治監督

 青いメガホンを片手にグラウンドを動き回る。大声で選手に助言を送り、打撃投手も買って出る。2014年4月から金沢学院東を指導する金森栄治監督(57)は「すべてが新鮮。生徒と一緒に学ぶ毎日で、一日があっという間です」と話す。
 大阪・PL学園高で甲子園に出場、西武や阪神などで15年間プレーし、打撃コーチとして西武時代の和田(現中日)やロッテで西岡(現阪神)らを育てた。14年1月に学生野球資格を回復。出身である石川県の高校からの就任要請を「地元の期待、思いを背負って戦いたい」と引き受けた。同校の木谷辰夫校長は「技術的な指導はもちろん、野球を通じた人間形成に貢献いただきたい」と期待を寄せる。
 球をぎりぎりまで引きつけ、体をコマのように回転させて打ち返す。独特の打撃理論は高校生にも当てはめられるという。「プロと力の差はあるけど教え方は同じ。基本を伝えるだけだから。プロでやっていた時も、10歳の子が分かるように伝えていたつもり」
 練習は基本の繰り返し。「まだ2カ月ちょっとで偉そうなことは言えないけれど、今の高校野球は戦術面など複雑になりすぎているように感じる。負けたら終わりの一発勝負だからこそ、シンプルにやったほうが良いんじゃないかと。大事なのはランニングとキャッチボール。体力の強化が技術の上達に比例する。継続は力なりです」
 部員は84人。名コーチと言われた金森氏は今、プロ時代にはなかった「怖さ」を感じている・・・

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