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教育・子育て
朝日新聞社

地方大学ってカッコ悪い? 静岡発「50年後に生き残る」

初出:2014年6月30日〜7月5日
WEB新書発売:2014年7月31日
朝日新聞

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 「大学全入時代」を迎え、人口も大学も集中する都市部と比べて地元に残る進学者がどんどん減る地方。進学者のうち県内の大学や短大に残る率が全国平均を大きく下回る静岡県でも、国公私立の大学が生き残りをかけた道を模索し始めている。学生が教職員が大学が、地域や社会人までを巻き込んで何ができるのか。静岡で学ぶことが「格好いい」と誇れるようになるには何をすべきなのか。すべては、50年後に学ぶ未来の学生たちのために――。

◇第1章 静岡で学ぶ良さ探して
◇第2章 地域との連携に手応え
◇第3章 志願者集めに創意工夫
◇第4章 東京の「白熱」大学院、進出
◇第5章 世界見すえて人材育成


第1章 静岡で学ぶ良さ探して


◎「都会に負けぬ」学生発信
 「50年後の静岡県にも『大学生』はいますか?」
 こんな刺激的な問いかけが、紹介パンフレットの表紙を飾る。2006年に創刊した、静岡の大学生が作る無料情報誌「静岡時代」。NPO法人として季刊で発行し、約1万部を県内の大学に配っている。
 東京と名古屋という、大学の質も量も圧倒的な二大都市の中間にある静岡。国の学校基本調査によると、進学者数のうち県内の大学や短大に進学する残留率は、13年31・4%。全国平均の45・8%を大きく下回り、全国1位の愛知の73・5%の半分以下だ。
 自分たちの手で静岡独自の大学文化を掘り起こし、発信して、コンプレックスを吹き飛ばそう。「静岡時代」のキャッチコピーには、危機感と、改革への意思が込められている。


 「私も都会の大学に行っていたら」。県立大食品栄養科学部3年の小池麻友さん(20)は大学入学後、思い悩む日々が続いた。
 島田市出身で、関心のあった食について学べる県立大に進学。しかし、東京や京都に進学した親友が他大学の学生たちと交流して楽しそうに過ごしているのを知ると、刺激が少なく、つまらなく感じた。
 そんな時に手にしたのが「静岡時代」だ。悩める大学生をテーマにした「大学迷路案内」の企画、ニューハーフラウンジへの突撃取材……。「知らない世界に行ける」と、編集部に加わった。14年春発行の「恋愛論」の企画では編集長を務め、恋の「先輩」であるパブのママや、恋する脳を分析するため研究者にも取材した。
 「静岡の大学生でもこんなことが出来る。都会の大学生に負けていない」。経験は自信につながった。いまは編集部と大学の実験で充実した日々を送る・・・

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