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朝日新聞社

彼女を人殺しに駆り立てたもの 佐世保同級生殺人事件の混沌

初出:2014年7月29日〜7月31日
WEB新書発売:2014年8月14日
朝日新聞

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 長崎・佐世保で起きた女子高生による同級生殺人事件。遺体切断という異様さ、加害者の家族関係の複雑さ、同級生の殺人事件といった背景にある要素が、世間の関心をかき立てている。なぜ、仲が良いと見られていた被害者は殺されなければならなかったのか。子どもたちはインターネットで錯綜する不確かな情報に翻弄され、大人たちは10年前の小学生同士の殺人事件後の取り組みの空しさにうろたえる。闇は、果てしなく広がっている。

◇第1章 母の死後、父に暴力
◇第2章 ネット錯綜 生徒に影
◇第3章 命の重み 伝わったか


第1章 母の死後、父に暴力

◎殺害容疑の高1 再婚「悲しい」
 ベビーカーを押す親子連れや、買い物客らが歩く。ビルが立ち並ぶ町の中心部。大通り沿いに、瀟洒(しょうしゃ)なマンションが立つ。
 2014年7月26日、多くの家族が団欒(だんらん)を楽しんでいるはずの土曜の夜だった。長崎県佐世保市の県立高校1年の女子生徒(16)は、クラスメートの松尾愛和(あいわ)さん(15)を、このマンションの一室で殺害した疑いが持たれている。


 翌27日未明、捜査員がワンルームの部屋に入ったとき、異様な光景が広がっていた。一面が血だらけ。ベッドの上には、頭部と左手首が切断された遺体。そばには、のこぎりやハンマーが置かれていた。頭部を何度も殴り、抵抗できない状態にし、ひもで首を絞めて殺害したとみられている。
 いったい何が、「闇」のなかへ足を踏み込ませたのか――。


 女子生徒をよく知る人たちは、ふだんの姿と残忍な手口のギャップに戸惑う。本をよく読み、成績も良く、スポーツも得意……。「自分の娘と買い物に行ったり、食事をごちそうしたりすると、素直に喜んでくれた」。ある女性はこう振り返る・・・

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