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朝日新聞社

佐賀空港にオスプレイ! まさかの軍用基地化、知事はまた国の言いなり

初出:2014年7月27日〜8月1日
WEB新書発売:2014年8月14日
朝日新聞

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 赤字の佐賀空港が自衛隊と米海兵隊共用の一大軍事拠点になりそうだ。古川康佐賀県知事は軍用輸送機オスプレイの配備を要請した安倍政権に、空港建設の際に地元漁協と交わした協定の一文「自衛隊と共用する考えはない…」を解釈変更して応える。住民は「詭弁だ」と反発、波紋が広がっている。沖縄の基地負担軽減問題をふまえ、地元駐屯地のヘリ移転に伴う賛否、空港近くの干潟の自然環境・熱気球大会の空域制限などの問題を紹介しつつ、新幹線、原発に続く古川知事の国策追従、交付金頼みの姿勢を問う。

◇第1章 「自衛隊と共用しない」
◇第2章 飛行域、大会への影響は
◇第3章 どうなる東与賀干潟
◇第4章 ヘリ移転、歓迎と戸惑い
◇第5章 負担、たらい回しの図式
◇第6章 知事、国策追従の歴史


第1章 「自衛隊と共用しない」

◎県と8漁協の協定
 安倍政権が突如求めてきた佐賀空港への日米のオスプレイ(※)配備で、忘れられかけていた文書が一躍、クローズアップされている。
 1990年、当時の地元8漁協が県と結んだ公害防止協定と、それに添えられた覚書と付属資料だ。
 空港からの排水の水質基準や大気汚染、航空機騒音の基準を定めた背景には、建設工事や開港後のノリ漁場への悪影響を懸念した有明海の漁師の思いがある。
 69年、当時の池田直知事が空港建設を表明すると、漁師たちは「佐賀空港建設絶対反対期成会」という組織をつくって強硬に反対。計画は二度、頓挫した。
 特に81年は、建設促進決議をしようとした当時の川副町議会に、約1500人とも言われる漁師らが集まって激しく抗議し、議会は流会。当時の町長や町議たちは「今後、漁民の同意なく空港問題は審議しない」との誓約書まで求められ、サインした。
 8月8日の出来事だったことから「ハッパ事件」と呼ばれる。「生活がかかっている漁民を無視して計画が進むと思っていたら大間違いだ」。漁師たちは気勢を上げた。
 しかし、2年連続でノリ不作に陥り、水産振興を求める声が高まった87年、「行政と協力していく必要がある」と組織は解散。90年に協定を結んだ。
 目を引くのが付属資料だ。本編の協定を補うように、漁協側が県に見解をただす一問一答形式。その中に、次のくだりがある。
 「覚書に『自衛隊との共用はしない』旨を明記されたい」
 県の考えはこう記された。「県は佐賀空港を自衛隊と共用するような考えを持っていない」
 漁師として反対運動を引っ張った佐賀市議の川崎直幸さん(64)は「空港をつくっても乗る人が少なくてつぶれる可能性があると見ていた。そうしたら空港を国に任せ、自衛隊に使わせると予測できたので、一文入れさせた」と説明する・・・

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