【お知らせ】WEB新書は閉店しました。

文化・芸能
朝日新聞社

隠された大壁画 「平成の大改修」でわかった日光東照宮・陽明門の意外な来歴

初出:2013年6月27日〜11月28日、2014年7月10日〜8月5日
WEB新書発売:2014年8月14日
朝日新聞

このエントリーをはてなブックマークに追加

 日光東照宮の国宝・陽明門は2013年7月から「平成の大修理」の真っ最中だ。約10億円、6年の工期を予定する一大プロジェクトの中で、これまでに確認されていなかった陽明門のさまざまな姿が、明らかになりつつある。東西両側の奥に隠された彩色壁画のうち、東側の絵は「昭和の大修理」で目視確認されたが、西側は、今回の修繕により、217年ぶりに日の目を見た。2015年に「400年式年大祭」を控えた陽明門。その歴史に新たなページを付け加えつつある修復プロジェクトを、同時進行でレポートする(長期連載を時間順に収録したため、各章の記述は記事掲載時までに判明していた事実に基づいています)。

◇第1章 安全を祈って、清めのお祓い
◇第2章 足場を築くため、両脇の袖塀撤去
◇第3章 大壁画、ベール脱ぐ
◇第4章 西側に隠された「松に巣ごもりの鶴」
◇第5章 「松に巣ごもりの鶴」217年ぶりに姿
◇第6章 工期4〜5年に短縮見通し
◇第7章 未公開だった西回廊に展示スペース
◇第8章 勅額裏に建立前の年号
◇第9章 巣ごもりの鶴の彩色壁画公開
◇第10章 彩色壁画下地に原画、12年後に描き直しか
◇第11章 彩色壁画深部に牡丹の絵
◇第12章 側壁の縁に花菱状連続文様、建立時のものと特定


第1章 安全を祈って、清めのお祓い

 約10億円をかけた「平成の大修理」が2013年7月から本格化する日光東照宮の国宝・陽明門で13年6月26日、清めのお祓(はら)いの神事があり、6年がかりの修理工事の安全と成功が祈願された。
 陽明門は、東照宮創建(1617年)後、3代将軍・家光が東照宮を絢爛豪華(けんらんごうか)に造り替えた「寛永の大造替(ぞうたい)」(1636年)で建立された。その名は、大内裏12門の一つの名を朝廷から賜ったともいわれる。
 陽明は太陽を表す。中国の史書・後漢書に、陽明の表記で、聖人君主が世に出ると霊鳥の鳳凰(ほうおう)が表れる記述があり、徳川政権が祭神の家康をそう見立てた。東照宮の中で特別に命名された建物は陽明門だけだ・・・

このページのトップに戻る