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経済・雇用
朝日新聞社

中部空港10年、未だ視界不良 「アジア向け」国際空港の実情

初出:2015年2月15日〜2月17日
WEB新書発売:2015年3月5日
朝日新聞

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 「セントレア」の愛称を持つ中部空港(愛知県)が開港10年を迎えた。ハブ空港を目指して華々しく飛び立ったかに見えたが、旅客数は開港直後の2005年度がピーク。肝心の国際線はほとんどがアジア方面で、欧米はわずか3路線にとどまる。外国航空会社の就航優先順位が羽田、成田、関西に次ぐという位置づけを脱するには何が必要なのか。その一方で商業関係の売り上げは好調。トヨタ方式を導入して堅実経営を続ける空港会社が仕掛ける「第2の開港」に迫る。

◇中部空港、ハブへ道半ば
◇臨空都市の夢遠く
◇民営着々、次は集客


◇中部空港、ハブへ道半ば

「開業10周年」のステッカーで飾られた列車が、空港駅のホームに滑り込んだ。待ち構えていた鉄道ファンたちがシャッターを切る。大きな荷物を抱えた乗降客が行き交い、楽団は軽やかな音楽を奏でる――。
 2015年1月末に開かれた名古屋鉄道の空港線10周年のイベント。一帯が華やかな空気に包まれる中、片隅の一角はひっそりとしていた。柵の反対側にある「幻の4番線」。ホームの下に線路はなく、コンクリートがむきだしだ。名鉄関係者は「空港の需要が将来大きく伸びた時に備えてつくった」という。いまだ出番はない。


 中部空港は開港直後の05年度、旅客数1235万人を記録した。愛知万博の「特需」もあり、上々の滑り出し。だが、その時がピークだった。
 大きな誤算は08年秋のリーマン・ショックだ。世界的な不況で地元企業の出張利用も落ち込んだ。09年度には旅客数が1千万人を割り込み、低迷が続いた。
 この2、3年は持ち直しつつあるが、今年度も「(目標の)1千万人超えは厳しい状況」(空港会社の川上博社長)。国の審議会に07年に示された需要予測は12年に1380万人。現実は大幅に伸び悩む・・・

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