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朝日新聞社

女性議員? いらないでしょ 地方議会「女のくせに」の壁

初出:2015年2月23日〜2月26日
WEB新書発売:2015年3月12日
朝日新聞

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 朝日新聞が行った全国調査によると、「女性ゼロ」の地方議会は2割を超え、女性議員数の割合は1割強にとどまる。他の先進国ではあり得ないこの惨憺たる状況が、なぜ日本では許されているのか。女性進出を阻む壁を探ってみると、出るわ出るわ、男も女も化石のような考え方を持つ人間が未だに地方には蔓延っていた。「女性議員は2人もおらんでよか」「家の仕事どうすると?」「子どもがかわいそう」……。残念ながら、これが21世紀のニッポンの現実だ。

◇序章 「女性ゼロ」議会 2割超
◇第1章 出馬、立ち塞がる「女は家」
◇第2章 議員の産休、扱いは「事故」
◇第3章 琵琶湖が高めた政治意識


序章 「女性ゼロ」議会 2割超

◎女性の議員は11% (朝日新聞社全国調査)
 全国の地方議会1788のうち、2割超にあたる379の市町村議会に女性が1人もいないことがわかった。町村では35%を超え、九州や東北で女性議員の少なさが目立つ。

 統一地方選を前に、朝日新聞が2015年1〜2月、全国の都道府県議会と市区町村議会に1月1日時点の状況についてアンケートを依頼し、回収や直接取材によって全議会から回答を得た。
 379の「女性ゼロ」議会は、市が49、町村が330。最も議員数が多いのは34人の愛媛県今治市議会で、議員数が20人以上の議会は22市町ある。
 「女性ゼロ」議会の割合が最も高い都道府県は青森で51・2%。41・7%の福島、40%の奈良が続く。
 都道府県議会には「女性ゼロ」議会はないが、岐阜、香川、佐賀の3県は女性議員が1人。山形、茨城、石川、愛媛、高知、熊本の6県は2人だった。
 地方議員計3万3416人のうち、女性は3926人。1970年代の1%程度から徐々に増えてはいるものの、1割強の11・7%にとどまっている。
 女性議員の割合が最も高いのは女性が8人、男性が5人の神奈川県大磯町議会で61・5%。全国で唯一、女性の数が男性を上回る。女性議員が3割以上を占める市区町村議会は53議会で、全体の3%だった。
 女性議員の割合を都道府県別で見ると、最も低いのは青森で6%。6・1%の長崎、6・5%の石川が続く。逆に、割合が高いのは東京(24・7%)、神奈川(19・8%)、埼玉(18・9%)、大阪(18・4%)など大都市圏だった。
 各国で選挙制度などが異なるため、単純な比較は難しいが、欧州連合(EU)の欧州委員会の13年調査では、欧州30カ国の地方議会に占める女性の割合は、平均で3割を超える。駒沢大学の大山礼子教授(政治制度論)は「欧米では、身近な問題を扱う地方政治には女性のほうが関心が高く、国会より女性の割合が高い傾向にある。日本のような『女性ゼロ』議会の多さは、他の先進国では考えられない」と指摘する・・・

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