経済・雇用
朝日新聞社

大塚家具お家騒動は終わらない 日本中の企業が悩む「後継者問題」

初出:朝日新聞2015年6月3日〜6月6日
WEB新書発売:2015年6月18日
朝日新聞

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 日本中の話題をさらった、大塚家具の「お家騒動」は、まだまだ収束を見ていない。創業者で前会長の大塚勝久氏と、長女で社長の久美子氏は、資産管理会社の株をめぐって、東京地裁で第2ラウンドを戦っている。この「親子げんか」、日本経済の屋台骨を支える中小企業にとっても、決して他人ごとではない。中小企業の多くは同族企業。少子高齢化と経済情勢の不透明化で、後継者に悩むのはどの会社でも同じだからだ。企業経営者は「大塚家具」から何を学ぶべきなのか? その「教訓」をわかりやすくまとめてみた。

◇第1章 終わらぬ「親子げんか」
◇第2章 剛腕のカリスマに転機
◇第3章 「会社は一族のものではない」
◇第4章 後継者でもめるのは幸せ


第1章 終わらぬ「親子げんか」

 《人生の悲劇の第一幕は親子となったことにはじまっている〜芥川龍之介「侏儒の言葉」》
 あの「親子げんか」は、まだ終わっていない。
 世間の話題をさらった、大塚家具の「お家騒動」劇。主役は、創業者で前会長の大塚勝久(72)と、長女で社長の久美子(47)。2015年3月、株主総会を舞台に、2人が互いの退任を求めて委任状争奪戦を繰り広げた。その2人が、今度は舞台を東京地裁の法廷に移す。7月中旬、互いに法廷に立ち、主張をぶつけ合うことになった。お題は「株はだれのものか」だ。
 争いのもとになっているのは、大塚家の資産管理会社「ききょう企画」が握る大塚家具の株の一部だ。発行済み株式数の7%にのぼる。いまは「久美子派」のきょうだいが代表で、3月の戦いでは久美子の社長続投に一役買った。


 勝久は裁判で、自身が渡した株の返還を事実上求めている。一方の久美子サイドは、株は大塚家具の事業を引き継ぐために受けとったもので、その必要はない、と真っ向から反論している。
 会長の座を失ったとはいえ、勝久は18%の株を握る大塚家具の筆頭株主。裁判に勝てば、ききょう企画の7%も手にする可能性がある。久美子が率いる大塚家具の業績が上向かないようだと、「社長復帰をめざして委任状争奪戦を再び仕掛ける可能性がある」と、勝久周辺は語る。


 いつ終わるとも知れない親子の争い。3月の騒動は、表向きは「経営方針の違い」が理由だった。
 「(低価格路線の同業他社を)ライバルとして意識すると間違える」(勝久)
 「来店客に住所や名前を書いてもらう従来の受付や接客には、抵抗を感じる人が多い」(久美子)
 03年に730億円に達した大塚家具の売上高は、14年には555億円。低価格を売りにするニトリや、外資系のイケアに押され、大塚家具の業界内での立場が揺らいでいる中での争いだっただけに、主張に重みもあった。
 ただ業界内からは、こんな声も聞こえる。「あの親子は10年来、仲が悪い」(取引先幹部)
 そんな2人の対立が決定的になったと互いに口をそろえるのは、13年2月。ある社外取締役の選任を巡って、会長の勝久と社長の久美子が激しくぶつかった・・・

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大塚家具お家騒動は終わらない 日本中の企業が悩む「後継者問題」
216円(税込)

日本中の話題をさらった、大塚家具の「お家騒動」は、まだまだ収束を見ていない。創業者で前会長の大塚勝久氏と、長女で社長の久美子氏は、資産管理会社の株をめぐって、東京地裁で第2ラウンドを戦っている。この「親子げんか」、日本経済の屋台骨を支える中小企業にとっても、決して他人ごとではない。中小企業の多くは同族企業。少子高齢化と経済情勢の不透明化で、後継者に悩むのはどの会社でも同じだからだ。企業経営者は「大塚家具」から何を学ぶべきなのか? その「教訓」をわかりやすくまとめてみた。[掲載]朝日新聞(2015年6月3日〜6月6日、5200字)

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