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世相・風俗
朝日新聞社

うれしはずかし同窓会 50歳、あだ名で一気に中学生に

初出:2013年7月5日〜7月8日、2014年8月17日
WEB新書発売:2015年6月25日
朝日新聞

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 顔を合わせるのは35年ぶり。300人いた同窓生をフェイスブックや市の広報誌を使って探し、96人が集まった。会場に着くと、あだ名で声を掛けられ、「一気に中学生に戻りました」。しかし、幹事はやはり大変だ。卒業生名簿ではがきを送っても半分以上があて先不明で帰ってくるものという。最近は幹事の代行業者がある。スポンサーになる企業もある。同窓会を開いてみませんか?

◇第1章 35年ぶり、一気に中学生に
◇第2章 3カ月前から準備を
◇第3章 連絡先探し、業者がお助け
◇第4章 長続きのコツ「毎年開かない」
◇第5章 同窓会、企業がスポンサー


第1章 35年ぶり、一気に中学生に

 都内に住むルポライターの明石昇二郎さん(51)は2012年秋、中学校の同窓会を開いた。顔を会わせるのは35年ぶり。みんなが今どこに住んでいるか探すところから始めたが、「とてもよかった」と振り返る。
 きっかけは、東日本大震災。取材で人のつながりの大切さと、それがあっという間に断ち切られる現実をみた。そんなころ、自身の出身地、東京都日野市の風景がアップされたサイトを見つけた。小学校に通っていたころの写真だ。その投稿者名に心当たりがあり、メールをしてみると小・中学校の同級生。35年ぶりに再会し、「同窓会やろうか」となった。
 でも、幹事なんてしたことがない。今も地元で暮らす同窓生数人と5月に集まった。すでに亡くなっている友達もいる。みんなで集まるのは最初で最後かもしれない。約300人いた同窓生のひとりでも多くに連絡することを目標にした。
 分担してフェイスブックなどで呼びかけ、親のPTA時代のつながりを駆使し、市の広報誌にも載せてもらった。11月の同窓会には2次会のみも含め96人と先生5人が参加した。


 開催を知らされた参加者の高山徹さん(50)は「今さら」と冷めていた。だが、メーリングリストで近況を知らせるやり取りを読み、気持ちが変わった。
 会場に着くと「トオリャン」と中学時代のあだ名で声を掛けられた。面はゆいけれどうれしい。会社では年下の部下ばかりで、話しかけられるときは敬語。「こんなにざっくばらんに話せる場は他にない。一気に中学生に戻りました」
 「次は高校の同窓会を」と盛り上がり実際に開いた人、仕事帰りによく飲みに行くようになった人……。友人関係が復活し、様々な「ミニ同窓会」が自然発生している。
 明石さんは50歳という年齢もよかったと思う。「いろんな経験を重ねてきて、『お前、よく頑張ったなー』と出世した人の肩を素直にたたける。友達と笑いあっていると『50歳になってしまった』という少し落ち込んだ気持ちから復活できます・・・

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