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スポーツ
朝日新聞社

しなやかに男子新体操部 指先まで美しく、腹筋はムキムキ

初出:2015年6月18日〜6月21日
WEB新書発売:2015年7月2日
朝日新聞

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 男子新体操は日本発祥、競技人口は1400人。女子では禁止されているバク転やバク宙もOKで、力強さと繊細さの両立が奥深い。埼玉栄高校は2014年のインターハイで優勝した強豪。しかし、新チームは高校から始めた「素人」もいて、なかなか動きがぴったり合わない。15年のインターハイに向け、練習に励む部員12人を追った。

◇第1章 仲間と跳ぶ、重圧の先へ
◇第2章 「本気出して」ライバルに話した
◇第3章 素人だから、練習あるのみ
◇第4章 0・35点差…「練習の鬼になる」


第1章 仲間と跳ぶ、重圧の先へ

 2015年6月上旬、私立埼玉栄高校(さいたま市西区)の体育館。大会を目前に控え、男子新体操部の練習が佳境に入っていた。Tシャツ、短パン姿の部員12人が、音楽に合わせて床の上を宙返りしたり、動きを合わせたり、倒立したり。うまくいくと拍手を送りあう。「ファイトー」と気合を入れる声が響く。時折、Tシャツのすそで顔の汗をぬぐう。見えた腹筋はみなムキムキだ。
 大会は個人戦と団体戦があり、団体戦は、体操のゆか競技に演技要素を加え、曲をかけながら6人で一斉に動くイメージだ。女子では禁止されているバク転やバク宙(後方宙返り)も使える。体操とは異なるしなやかさ、表現力、演技力も求められる。約3分間の演技を、20点満点で評価される。
 埼玉栄高校の男子新体操部は14年、輝かしい成績を残した。
5、6月の全日本ユース優勝、6月の関東大会優勝、8月のインターハイは初優勝した。それだけに、15年の新チームには、重圧がかかる。


 1年生でレギュラーになった田中啓介君(15)は、「練習はつらいけれど、それだけじゃない。曲に合わせていかに自分の色を出すかが面白い」と話す。
 福島県出身。新体操を始めたのは幼稚園年長のときだ。2歳年上の姉が新体操クラブに通っていて、クラブにいた姉の同級生の加藤大地君(17)が、男子新体操チームをつくらないかと田中君に声をかけてきた。
 1日2、3時間の練習を週に2、3日。前転などの基礎練習から始め、小学3年生ぐらいでバク転やバク宙ができるようになった。技を習得する喜びと、力強さと繊細さの両立を求められる奥深さ。楽しくてしかたない。小中学生時代、全国大会の個人、団体で上位に入賞した。
 埼玉栄高校に進学した加藤君は、福島に帰郷するたびに男子新体操部の話をしてくれた。田中君の同級生は、青森の高校で新体操を続けるという。田中君が高校3年生になったとき、インターハイは地元・福島などの南東北で開かれる。仲間と各県の代表として故郷で競いたい。それに加藤君の力にもなりたい。田中君も埼玉栄高校に進むことにした・・・

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