【お知らせ】WEB新書は閉店しました。

世相・風俗
朝日新聞社

終活、棺に入ってみた 自分の最期シミュレーション

初出:2014年1月24日、4月3日、5月13日
WEB新書発売:2015年7月2日
朝日新聞

このエントリーをはてなブックマークに追加

 東京湾での海洋散骨体験や、樹木葬墓地巡りなど「終活ツアー」が注目されている。写真館での遺影撮影・法要料理の試食・棺に入る体験会もある。予行演習とはいえ、棺のふたを閉じられたとき、どんな思いを抱くのだろうか。自分らしい最期を迎えるため準備する人々をルポ。

◇第1章 自分らしく、終活ツアー
◇第2章 私の最期、生かす終活
◇第3章 あの人の粉骨、私の手で


第1章 自分らしく、終活ツアー

◎散骨体験・樹木葬墓地巡り
 海洋散骨に取り組む「ブルーオーシャンセレモニー」(東京)が2014年2月末、東京湾で開いた体験クルーズでは、市民や葬祭関連業者、NPOメンバーら14人を、村田ますみ社長(40)らが案内した。水溶性の紙袋に入った塩を遺骨に見立てて、船から順に流し、手向けた花びらが風や潮の流れで「花の道」を作った。
 「風が気持ちいい。死んだあとも暗い土の中より自由で広い海がいい」と笑ったのは静岡県三島市の安原康仁さん(56)。3年前に同年代の知人や親類が亡くなり自分の死を考えるようになった。葬儀の時に知らせてほしい知人や流してほしい曲などを記し、友人に託している。海洋散骨への思いを書いた村田さんの著書に共感した。「実際に流してみて、自分の中に散骨のイメージができた。仕事やお金、常識、家族といった、いろんなものから自由になれる気がした」
 この日は東京・晴海からお台場近くを通り、羽田空港沖で模擬散骨を体験する約2時間半のコースで6千円(飲み物付き)。13年始めて4回目で問い合わせも多いという。
 村田さんは13年、同業者らと日本海洋散骨協会を作り普及に取り組む。「墓を守る子どもがいないことや、『死後は自然にかえりたい』など価値観の多様化で、ここ数年関心が高まっている」と話す。
    ◇
 旅行会社「クラブツーリズム」(東京)は14年1月から自然葬をテーマに霊園を巡る「終活ツアー」を始めた。エンディングノートの書き方、身辺整理術などを学ぶ「大人の終活講座」を2年前に開講したところ、延べ3500人が受講する人気講座に。「さらに具体的に埋葬について考えたい」「最近の墓地を見てみたい」という受講者の要望に応えた。
 1回目は、都内近郊の樹木葬墓地やガーデニング霊園など4カ所をバスで回った。弁当つき7980円で、約20人が参加。反響があったため、8月までに計6回開催する。ブルーオーシャンセレモニーの海洋散骨体験や機械式の納骨堂の見学を組み込んだツアーも設けた・・・

このページのトップに戻る