政治・国際
朝日新聞社

自衛隊派遣の覚悟はあるか 隊員56人自殺の現実

初出:朝日新聞2015年6月6日、7月16日、7月17日
WEB新書発売:2015年8月6日
朝日新聞

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 安保関連法案が成立し、海外派遣されれば、自衛隊員の死傷リスクやストレスは高まる可能性がある。帰国後に自殺するなどの後遺症も見込まれる。現実に、2001年からのインド洋派遣で27人、03年からのイラク派遣で29人が在職中に自殺した。派遣された隊員たちにどんな症状が現れたのか。イラク・サマワの宿営地に出向き、3千人の心理調査にあたった精神科医が、知られざる実態を語る。

◇イラク派遣のストレス/元自衛隊中央病院精神科部長・福間詳さん
◇「憲法遵守」の誓いに反する/井筒高雄さん(元陸自レンジャー隊員)
◇絶望せずにモノ言う勇気を/澤地久枝さん(ノンフィクション作家)
◇インド洋派遣の自衛官自殺27人/答弁書閣議決定


イラク派遣のストレス/元自衛隊中央病院精神科部長・福間詳さん

 自衛隊にとって、過去に「最も戦場に近い」とされたのが、イラク・サマワでの人道復興支援活動だった。当時、サマワの宿営地に出向き、約3千人の心理調査に当たった精神科医がいる。「非戦闘地域」でのストレスとはどんなものだったのか。帰国後、隊員たちにどんな症状が現れたのか。知られざる実態について口を開いた。

 ――2004年から06年にかけてイラクに派遣された陸上自衛隊員のうち、21人が在職中に自殺したことが明らかになっています。

 「派遣された約5480人は、精神的に健全であると確認したうえで選ばれた精鋭たちです。そのうち21人が自殺したというのは、かなり高い数字ですね」

 ――そのうち3人は「イラク派遣も原因」と、政府が初めて認めました。

 「因果関係について何を根拠に判断したのでしょうか。自殺は氷山の一角で、イラク派遣の影響はもっと深刻なのではないかと私は考えています」

 ――なぜ、そう思うのですか。

 「当時、勤務していた自衛隊中央病院に、帰国後、調子を崩した隊員が何人も診察を受けにきました。不眠のほか、イライラや集中できない、フラッシュバックなど症状はさまざまでした。イラクでは体力的に充実し、精神的にも張り詰めているためエネルギッシュに動いていたものの、帰国して普通のテンションに戻った時、ギャップの大きさから精神の均衡を崩してしまったのです。自殺に至らなくても、自殺未遂をしたり精神を病んだりした隊員は少なくないと思います」

 ――1次群から10次群まで、派遣期間はそれぞれ3〜4カ月。どんな状況だったのでしょう・・・

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自衛隊派遣の覚悟はあるか 隊員56人自殺の現実
216円(税込)

安保関連法案が成立し、海外派遣されれば、自衛隊員の死傷リスクやストレスは高まる可能性がある。帰国後に自殺するなどの後遺症も見込まれる。現実に、2001年からのインド洋派遣で27人、03年からのイラク派遣で29人が在職中に自殺した。派遣された隊員たちにどんな症状が現れたのか。イラク・サマワの宿営地に出向き、3千人の心理調査にあたった精神科医が、知られざる実態を語る。[掲載]朝日新聞(2015年6月6日、7月16日、7月17日、7500字)

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