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教育・子育て
朝日新聞社

変わった人でいい イマドキ帰国生の生き方

初出:2015年8月20日〜8月23日
WEB新書発売:2015年9月3日
朝日新聞

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 海外で過ごす小中学生は7万6千人。1980年の2万7千人から2・8倍に増えている。地域では、それまで最多だった北米をアジアが抜いた。バンコク生まれの男子3人組、南アフリカとアルジェリアで暮らした11歳、ドイツと米国に15年暮らした大学生……。「自分にとって当たり前が、友人には違うこともある」「変わった人だから嫌ではなく、それもありだねと受け入れる」。帰国生たちは、海外で何を経験し、将来にどう生かそうと考えているのか。

◇第1章 変わった人?ありだね
◇第2章 特別な国「また住みたいな」
◇第3章 「当たり前」が違っても友達
◇第4章 多様な経験、それぞれの道へ


第1章 変わった人?ありだね

 「India will likely be the next economic hegemony(次の経済大国はインドになるでしょう)」。東京都小金井市にある国際基督教大学(ICU)高校3年の中根舞さん(17)が「グローバル化と経済」について、英語でプレゼンテーションを始めた。国際問題を学ぶ英語の授業だ。
 タンクトップに短パン、サンダル姿の生徒たちの前で、約10分の発表を終えた中根さん。ほっとした表情で班の仲間とハグを交わした。「2週間の練習の成果が出せました」


 ICU高校は、帰国生の受け入れ校として1978年に設立された。約7割を占める帰国生が滞在した国は60カ国に及ぶ。多様な生徒がともに学び、互いに理解を深めることを目標にする。制服はあるが、私服の生徒が多い。2014年には文部科学省のスーパーグローバルハイスクールに指定された。
 帰国生は北米からが多かったが、最近はアジアも増えて比率は同じくらい。両親が国際結婚した家庭の国内生も増え、経歴は更に多様化しているという。「様々なバックグラウンドを持つ仲間と過ごす中で刺激し、認め合い、自分らしさを発揮します。教員も生徒から学ぶことが多いです」と、原かおり・帰国生徒教育センター長は話す。
 帰国生と国内生は同じクラスだが、英語、国語、数学は習熟度別に学ぶ。傾向として、海外での生活が長い生徒は英語が得意で、国語と数学は不得意。海外の日本人学校出身生や国内生はその反対だという。
 英語は四つのレベルがある。主に英語圏で6〜10年以上生活した生徒中心のL1クラスから、国内生中心のL4クラスまで。中根さんはL1クラスだ。
 日本人学校出身生や海外在住期間が短い生徒らが多いL3クラスでも、L1クラスと同じ日に英語でのプレゼンがあった。シンガポールの日本人学校出身の日下萌さん(17)は、ゆっくりと話した。幼いころから英語を学ばせようとする日本の現状について、「English is just a tool」(英語は道具にすぎない)と指摘。伝える中身を磨くべきだと英語で語った。
 「L1の生徒は『自分には英語しかない』と焦り、他のクラスの生徒は『帰国生なのに英語がいまいち』と悩むことが少なくない・・・

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