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朝日新聞社

巨大組織・自衛隊の素顔 上陸訓練、模型買ってイメトレも

2015年09月03日
(4200文字)
朝日新聞

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 北海道十勝地方。上陸訓練は午前9時、5分単位の予定表に従って動き出した。実戦経験が豊富な米軍に比べ、自衛隊は計画通りに進めるのが特徴だ。敵役が襲ってくるわけではないが、小銃を構え、迷彩の網を張って陣地をつくる。輸送艦の模型を買ってイメージトレーニングをした場面が再現されていく――。誕生から61年。安全保障関連法案に注目が集まる一方で、22万人を超す巨大組織の実情はあまり知られていない。自衛隊の「いま」をリポート。

◇第1章 「国防」ばかりでない入隊動機
◇第2章 準備重ね、初の上陸訓練
◇第3章 最前線へ、訓練積む少年


第1章 「国防」ばかりでない入隊動機

◎「強く成長するため」/災害派遣の姿見て
 「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託にこたえることを誓いますっ」
 2015年7月2日、大阪府の陸上自衛隊信太山(しのだやま)駐屯地。古びた体育館に迷彩服の新人隊員61人が整列し、「服務の宣誓」を初めて唱和した。彼らは15年春入隊した「自衛官候補生」で、全国には陸海空に約8千人がいる。3カ月間、行進や銃の扱いからシーツのたたみ方までたたき込まれ、正式に自衛官となったばかりだ。


 自衛隊法施行規則は、自衛官にこの宣誓への署名押印を義務づける。15年5月末の安全保障関連法案の衆院特別委員会で、野党が「海外で自衛隊のリスクが高まるのでは」と尋ねると、安倍晋三首相は宣誓に触れ、「自衛隊員はそもそも任官の宣誓をする。高いリスクを負っている」と答えた。
 ただ、入隊動機は「国防」ばかりではない。6月、名古屋市の陸自第10師団。訓練中だった短大卒の武田莉輝(りき)さん(20)は、専攻の体育と部活動の体操競技では鍛え足りず、「強い人に成長するために自ら厳しい道を選んだ」。高卒の沢田幸祐さん(18)は、東日本大震災で活躍する自衛官をテレビで見て「困っている人の力になりたかった」という。
 内閣府の15年1月の世論調査でも、「自衛隊が存在する目的は何だと思いますか」の問いに対する回答のトップは「災害派遣」(82%)で、「国の安全の確保」(74%)を上回った。「国内の治安維持」(53%)、「国際平和協力活動」(42%)と続いた・・・

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巨大組織・自衛隊の素顔 上陸訓練、模型買ってイメトレも
216円(税込)

北海道十勝地方。上陸訓練は午前9時、5分単位の予定表に従って動き出した。実戦経験が豊富な米軍に比べ、自衛隊は計画通りに進めるのが特徴だ。敵役が襲ってくるわけではないが、小銃を構え、迷彩の網を張って陣地をつくる。輸送艦の模型を買ってイメージトレーニングをした場面が再現されていく――。誕生から61年。安全保障関連法案に注目が集まる一方で、22万人を超す巨大組織の実情はあまり知られていない。自衛隊の「いま」をリポート。[掲載]朝日新聞(2015年7月29日〜8月4日、4200字)

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